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「日本はスウェーデンになるべきか」高岡 望

2011/02/24公開 更新
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日本はスウェーデンになるべきか (PHP新書)

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■スウェーデンというと遠く寒い福祉国家という
 イメージがありますが、
 どういう国なのでしょうか。


 スウェーデンの国民一人当たりの年間所得は
 50910ドル。 
 日本の一人当たりの年間所得は
 38130ドル


 スウェーデンの専業主婦率は2%
 日本の専業主婦の率は28%未満。


■税金を見ると、スウェーデンの
 国民負担率(租税負担+社会保障負担/国民所得)は、
 66.2%
 日本の国民負担率は、38.9%。


 スウェーデンの法人所得課税は26.3%
 さらに、一部利益の25%までを損金参入できるので、
 実効税率はもっと低い。
 日本(東京都)の法人実効税率は40.69%。


■こうしたデータを見ると、
 国際的に戦う企業の税率は下げざるをえない。


 したがって、個人の税金負担は増えるので、
 家庭では主婦もフルタイムで
 働かなくてはならない。


 結果して一人当たりの収入は増える、
 という流れになるようです。


 もうすでに日本のスウェーデン化は進んでいるかも
 しれません。
 

 高岡さん、良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・月5万円のパート収入ですら3分の1を
 税金で持って行かれ、最高税率25%の消費税、 
 住居・光熱・医療費、保育料も高く、
 普通の家ではお金が残りません。(中略)
 フルタイム労働で疲れ切った母親、
 冷凍物ばかりの夕食。(新聞の投書欄から)(p7)


・路上生活者や物乞いに出会うことは皆無といってよい。
 ・・・ここの路上は生活するには寒すぎる・・・
 自立を重んじる精神が色濃くあるのではないか。
 寒い国では勤勉でない人は生きていけない。(p50)


・警察には駐車違反通報の電話を受け付ける専用の係が
 置かれていて、夜の10時でもすぐ電話がつながり、
 彼の手元のパソコンで、スウェーデン国内で登録されている
 すべての車のナンバーと持ち主の名前と住所と電話番号の
 データベースにアクセスできる(p65)


・スウェーデンでは、このように老夫婦は子供夫婦と
 同居しないのが普通である。・・・現在では
 その比率(67歳以上で子供と同居)は僅か4%に過ぎない
 ・・・日本では、65歳以上の高齢者のうち、
 子供と同居している割合は44.1%(p130)


・年金制度の最大の特徴は、
 一人ひとりの現役労働者が自分の所得の18.5%に
 固定された年金保険料を毎年納めること・・・
 自分の所得をごまかして低く申告すれば、
 それだけ将来の年金受給額も下がってしまう(p153)


日本はスウェーデンになるべきか (PHP新書)
高岡 望
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【私の評価】★★★☆☆(77点)


■著者経歴・・・高岡 望(たかおか のぞむ)

 1959年生まれ。
 82年外務省入省。
 93年在エジプト日本大使館、
 96年在ニューヨーク日本国総領事館。
 2001年外務省文化交流部人物交流課長。
 2002年在イタリア日本大使館。
 2006年法務省入国管理局登録管理官。
 2008年より スウェーデン公使。


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