「外交官が見た「中国人の対日観」」道上 尚史
2011/01/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
要約と感想レビュー
「日本の外交官は、中国でこんな議論をしている」ということがわかる一冊です。
外交官の仕事は、その国の有力者と人脈を持つこと。良い意味でも、悪い意味でも、「ああ言えば、こう言う」人との会話、議論の世界です。
・外交官は人脈が命であり、「人と会ってなんぼ」の商売だ。政治・経済でも広報文化でもそこは同じで、人と飯を食い、口角泡を飛ばして議論するうちに、「立場は違うが、自分にはない視点がある」と認め認められ、ネットワークが広がる(p32)
中国は国家として反日教育をしていますが、この本を読むと、個別の中国人がまったく反日ということでもないようです。
いずれにしろ実利を求める中国人の心としては、
・自分のメリットを最大化する。
・そのためには、学ぶものは学ぶ。
・もらうものは、もらう。
・日本は外国の目を気にしているようだが、中国は中国のことを考える。
といった、中国の人の考え方がわかるような気がしました。
日本人、中国人とひとくくりにして議論できないことは分かっていますが、一般的な傾向がわかればよいのではないでしょうか。
道上さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・「日本の学校では何時間勉強するのですか」「一年生は、週の半分くらいは四時間授業です」と私が答えるや、教室がどっと沸いた。「ぼくたちの半分しかない!日本の子どもは勉強が少ないな」(p48)
・中国は東洋的なものでなく、「実利」を追求している。だから、欧米各国の動向やシステムに鋭敏で、前向きなのだ。この十年の間に、日本を初めて訪れたアジアのビジネスマンが、「日本は進んだ国と思っていたが、古い様子に驚き、なつかしく思った」とういのを何度か聞いた。英語が通じず、クレジットカードを扱わない店・・・(p205)
▼引用は下記の書籍からです。
文藝春秋
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
著者経歴
道上 尚史(みちがみ ひさし)・・・1958年生まれ。1983年外務省入省。ソウル大学で韓国語を学び、ハーバード大学修士。在ジュネーブ代表部、在韓国日本大使館、本省経済局課長を経て、在中国日本大使館公使(広報文化センター長)。現在、内閣官房勤務。
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