【書評】「はじめに仮説ありき」佐々木 正
2010/11/11公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(75点)
■シャープとは不思議な会社です。
シャープペンシルを発明。
ターンテーブル方式の電子レンジを開発。
電卓戦争を勝ち抜く。
そして最近では、
太陽電池、液晶テレビで
業界をリードしています。
そういえば、MZ-80Kというパソコンもあったし、
ザウルスもシャープでした。
この本では、シャープで電卓開発を指揮した
佐々木さんが、商品開発、技術開発の
王道を教えてくれる一冊です。
・シャープが電卓に乗り出したとき、世間は
「電気ソロバンなど、誰が高いカネを出して買うものか」と言った。
だが、「電卓は世界を変える」という私の"夢"は、
たしかに現実のものになった。(p2)
■結論から言えば、
仮説を持てる人、夢を描ける人、
そしてそれを信念として貫ける人であるか
ということです。
技術的にできる、できないではなく、
こんなのが欲しい。これが社会には必要だ、
といった思いが必要ということです。
結局は、「未来が見える人」なのですが、
きっとそうした人は、どこかにいるのでしょう。
そうした人が、抜擢される環境が
必要とされているように思いました。
佐々木さん、良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・古人曰く、才あれば圭角多し。
圭角、すなわちトゲの多さは、才能のあかしなのだ(p163)
・シャープが翻訳機能付き電卓を発売してからしばらく、
松下電器から私に「講演をせよ」との依頼が来た・・・
競争相手に向かって講演をするというのは異例のことである・・・
これは松下幸之助氏じきじきの指示だという。・・・
やはり松下幸之助という人は並みの経営者ではない(p137)
・モスクワ近郊に工場を建てることが決まった・・・
いざ正式な契約の段になって、まったく返事は来ない。
そこでソ連に飛び、どうなったのか聞いてみると
「アメリカから設備を買うから、シャープのはもう要らない」
と言うのである。(p74)
クレスト社
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
■著者経歴・・・佐々木 正(ささき ただし)
1915年生まれ。シャープ 元副社長。
川西機械製作所(現富士通)へ入社。
早川電機工業(現:シャープ)に入社。
シャープ株式会社専務、副社長を経て顧問。
ポケットに入る超小型電卓の開発により
液晶業界では有名。
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