「それでも日本人は「戦争」を選んだ」加藤 陽子

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それでも、日本人は「戦争」を選んだ

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■第二次世界大戦を中心として、
 当時の日本、そして国際関係を
 高校生に講義するという内容の一冊です。


 各国がなぜ植民地を作ったのか。


 各国はどう考えて、同盟をしたのか。
 当時の社会や民衆はどうだったのか。


 高校生に講義しているせいか、
 わかりやすいというのが印象的でした。


・日本が獲得した植民地を考えてみると、
 ほぼすべて安全保障上の利益に合致する場所と言えますね・・・
 欧米の帝国主義・・・まず重要なのは商業的なもの・・・
 キリスト教の布教・・・国内の失業問題(p193)


■私が一番印象的だったのは、
 日本国憲法の中にリンカーンのof the people
 by the people, for the peopleが入っている
 ということ。


 こうしたちょっとした「へー」が
 歴史を面白くしてくれるのかも
 しれません。


・「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、
 その権威は国民に由来し」までが"of the people"ですね。
 「その権力は国民の代表者がこれを行使し」という部分が
 "by the people"・・・「その福利は国民がこれを享受する」、
 つまり、国民のため、が"for the people"(p32)


■特に主張があるわけではなく、
 戦争当時の歴史を学ぶ授業ですが、
 「あの戦争はなんだったのか」
 ということを考える一助となるはずです。


 加藤さん、よい本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・そもそも国際連盟がまちがっていたのだ・・・
 イギリスは、連盟の権威をバックにして、
 単なる言葉や理論によってドイツ、イタリア、
 日本を抑止でいると考えるべきではなかった、と
 カーは書いています(p57)


・日清戦争が近づいてきた頃の人々・・・
 『自由燈』という、絵の間に文字があります
 というような新聞を発行して、
 自由党の考え方を下層階級・民衆に広めようとしました・・・
 このようなだらしのない人々では、
 日本がたとえロシアの属国とされてしまっても、
 おとなしくいうことを聞くに違いない(p116)


・英米相手の武力戦は可能なのか、
 この点を恐れて開戦に後ろ向きになる天皇を、
 軍はどうしても説得しなければならない・・・
 日本の石油の備蓄量は日ごとに減ってゆく(p340)


・41年四月十三日、松岡洋右外相がモスクワに飛んで、
 ソ連を中立条約を結んでいた・・・
 日本は、ドイツとすでに1940年9月、三国同盟を結んでいる。
 日独伊ソというような、いわば四国同盟に近いものができて、
 やれやれ、これで英米などの資本主義国と
 対抗できるかな、と考えていた(p362)


・終戦時、満州にいた日本人・・・
 約200万人
 そのうちソ連侵攻後の死者数・・・
 約24万5400人(p393)


それでも、日本人は「戦争」を選んだ
加藤陽子
朝日出版社
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4 頭がしなやかである
4 結局なぜだったのか・・・
5 本当におもしろい
5 近現代史の流れを知る良書
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【私の評価】★★★☆☆(75点)



■著者紹介・・・加藤 陽子(かとう ようこ)

 1960年生まれ。東京大学大学院教授。
 専攻は日本近現代史。


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