「フリー 無料からお金を生みだす新戦略」クリス・アンダーソン
2010/01/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
このメルマガも無料ですが、インターネットの世界には無料のサービスがたくさんあります。しかし、実際にはどこかでお金を稼いでいるわけで、お金を儲ける仕組みが必要となります。無料からいかに人を集めてそこから収益を上げていくのか、無料戦略を考える。それがこの本のテーマです。
インターネットを利用したデジタル商品は、限界費用がほびゼロなので、どんな目的にでも使えるし、どんな値段にしても利益が生まれるのです。
基本的には、既存の無料サービスの仕組みを説明していく形となっています。無料版と有料版で機能に差をつける、広告収入を狙う、オンラインゲームではゲームの中で課金サービスを提供するなど実例が示されます。
実際、さまざまなキャッシュポイントの作り方があるわけで、それぞれの業界で最適な形を考えることになるということでしょう。この本の本当の価値は、巻末の「フリーを利用した50のビジネスモデル」にあるのかもしれません。
・すべてのベンチャー事業を抱える最大のギャップは、無料サービスと一セントでも請求するサービスのあいだにあるのです。(p85)
最後に、目からウロコといえば、不正コピーはコストのかからない究極のマーケッティング手法であるという見方です。不正コピーは悪いイメージがありますが、あえて否定せずに、将来の顧客を増やしてくれるありがたいものであるという見方です。
無料を活用しながら、いかに収益を上げていくのか。本業での活用を考えるために参考となる本だと思いましたので、本の評価としては★3つとしました。(このメルマガは趣味の範囲で、無料で地道にやっていきたいと思います。)
この本で私が共感した名言
・SF作家のニール・ゲイマンは、2008年に『アメリカン・ゴッズ』のデジタル版を四週間、無料ダウンロード提供した・・・8万5000人がオンラインで彼の書籍を試し読みし、平均46ページ読んだ(p214)
・フリーはプロとアマを同じ土俵に上げる・・・プロのジャーナリストが自分たちの仕事がなくなっていくのを見るはめになるのは、彼らの雇い主が、潤沢な情報の世界で彼らに新しい役割を見つけることができないからだ(p313)
・不正コピーは、自分たちの作品をもっとも多くの潜在的ファンに届けるための、コストのかからないマーケティング手法・・・中国では不正コピーが音楽消費の95%を占めると推定されている(p265)
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
フリーの誕生
無料とは何か?
デジタル世界のフリー
無料経済とフリーの世界
結び―経済危機とフリー
著者経歴
クリス・アンダーソン(Chris Anderson)・・・1961年生まれ。「アイワード」誌編集長。「ロングテール」という言葉を作った人。ロス・アラモス研究所調査員、「ネイチャー」「サイエンス」誌勤務、英「エコノミスト」誌編集者などを経て、2001年より現職。
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