「たかがビールされどビール―アサヒスーパードライ、18年目の真実」松井 康雄
2009/09/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
■アサヒビールにおいて、
スーパードライを企画した
松井さんの一冊です。
この本からは、
自信満々な松井さんの
雰囲気が伝わってきます。
実際、社内ではかなり
嫌われていたようです。
・本社のマーケティング部に
樽詰酎ハイ商品化計画を提案した。
簡単に一蹴された。・・・
本社の担当者たちはまたまた、
松井のヤツはとんでもない
無理難題を吹っかけてきたとばかり(p114)
■その一方で、商品企画については
光るものを持っていたようです。
若い頃から、いろいろアイディアを出し、
挑戦しています。
そこから学んだのは、
社内で上の地位を獲得しなくては、
自分のやりたいことはできないということです。
・入社以来、機会あるごとに積極的に
自分の考えを提案してきたが、
それが採用されて実施されたことはなかった。・・・
しかるべきポジションにつかない限り、
自己実現はありえないとの
考えをもつようになった。(p140)
■スーパードライの企画は、
ラベルの一新、さらにビールの味を変えるという
大きなリスクを取りました。
これだけ唯我独尊、自信満々な人でなければ、
スーパードライのような革新的なビールを
発売することはできなかったでしょう。
・これほどわれわれ皆が反対しているにもかかわらず、
お前はどうしてもやりたいという。
本当にどうしようもない奴だ。
そんなにやりたいなら、好きなようにヤレ」
これで、社長は一切の発言を封じてしまったのである。
かくして、一瞬にして、
スーパードライの発売は決まった。(p230)
■どこの企業でも、
やりたいことをやるならば、
左遷または会社を辞めるくらいの
覚悟が必要なのだと思いました。
どこの会社も多くの人で構成されており、
もがきながら、人間関係の中で仕事をしている
ことも再確認できました。
しかし、松井さんの自信満々には笑います。
その自信に敬意を表して、
本の評価としては★4つとします。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・生産サイドの最高責任者が「大変なことなんだよ。
でも、やってみよう」と言ったことである。
この決断が成功への道を歩む第一歩となったのだ(p160)
・いつも「全員ミーティング」というのをやった。
具体的には、管理職は一人ずつ個別に、一般社員は
課ごとのグループで、全員と面談するのである。
必ず出す質問は三つ。
「今、どんな仕事をしているか」
「今、どんな問題をかかえているか」
「今、私に・・・(p367)
・コンサルタントはたくさんのヒントはくれるが、
問題解決策は当事者しかつくることはできない(p97)
▼引用は、この本からです。
日刊工業新聞社
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『スーパードライ』 真の生みの親のお話
ドライ戦争の内幕
Best of ビジネス書
プロジェクトX!!
【私の評価】★★★★☆(88点)
■著者経歴・・・松井 康雄(まつい やすお)
1938年生まれ。
元アサヒビール・マーケティング部長。
スーパードライを大ヒットさせる。
読んでいただきありがとうございました!
いつも応援ありがとうございます。
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