「ライブドア監査人の告白」田中 慎一
2009/08/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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■証券取引法違反容疑事件で、社長の堀江さんと
経理担当者が逮捕されたライブドア事件の
内容がわかる一冊でした。
■ライブドアの錬金術は、
株式の100分割です。
つまり、株式分割をすると、一株に対し、
九十九株を印刷しなくてはなりませんが、
実際にはすぐに印刷できません。
そこで、需要に対し供給が追いつかず
株価が上昇してしまう現象です。
■そこでライブドアは、この原理を利用して、
株式の100分割実施→株価高騰→自社株売却
で利益を得ていたのです。(株価操作ですね)
しかし、株式会社はこうした
自社株売却はできません。
そこで、ファンドを作って、
自社株を別会社を経由させてファンドに入れ、
ファンドに自社株を売却させたのです。
■著者は、この事件を機に会計士を辞めると
本書で断言しています。
(偉い!と思ったら、まだお辞めになっていないような・・・)
また、全面的に捜査協力しているようで、
良いのか悪いのかよくわかりません。
・入谷検事が言っていた「捜査に協力してくれたら」という言葉の
意味は、事情聴取に対して真実を語ることはもちろん・・・
ときには捜査当局の描くシナリオに乗らなければならないという
ことだ、と中村先生に教えてもらった。(p26)
■ライブドア事件の概要を知るための
一つの資料になると思います。
本の評価としては、★2つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・"モノわかりのよい"会計士というのが会社から重宝される。
・・・悪く言えば「会社に都合のよい会計処理を屁理屈をこねて、
"適正"と言ってくれる」監査人のこと(p179)
・監査人が厳しい態度で臨んでいれば、
クライアントにも危機感が生まれ、
短期間のうちに不振を脱却して、
会社再建も早かったと思う(p185)
▼引用は、この本からです。
ダイヤモンド社
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読む価値はある本だが、著者のその後には注意
本当の巨悪はどこにあるのか
面白いです
真相は当事者じゃないと分からないけど
■著者経歴・・・田中 慎一(たなか しんいち)
1972年生まれ。
KPMGセンチュリー監査法人(現あずさ監査法人)、
大和証券SMBC、UBSウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、
港陽監査法人でライブドア事件に遭遇。
読んでいただきありがとうございました!
いつも応援ありがとうございます。
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