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「ライブドア監査人の告白」田中 慎一

2009/08/28公開 更新
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ライブドア監査人の告白
【私の評価】★★☆☆☆(67点)


■証券取引法違反容疑事件で、社長の堀江さんと
 経理担当者が逮捕されたライブドア事件の
 内容がわかる一冊でした。

 
■ライブドアの錬金術は、
 株式の100分割です。


 つまり、株式分割をすると、一株に対し、
 九十九株を印刷しなくてはなりませんが、
 実際にはすぐに印刷できません。


 そこで、需要に対し供給が追いつかず
 株価が上昇してしまう現象です。


■そこでライブドアは、この原理を利用して、
 株式の100分割実施→株価高騰→自社株売却
 で利益を得ていたのです。(株価操作ですね)


 しかし、株式会社はこうした
 自社株売却はできません。


 そこで、ファンドを作って、
 自社株を別会社を経由させてファンドに入れ、
 ファンドに自社株を売却させたのです。


■著者は、この事件を機に会計士を辞めると
 本書で断言しています。


 (偉い!と思ったら、まだお辞めになっていないような・・・)


 また、全面的に捜査協力しているようで、
 良いのか悪いのかよくわかりません。


  ・入谷検事が言っていた「捜査に協力してくれたら」という言葉の
   意味は、事情聴取に対して真実を語ることはもちろん・・・
   ときには捜査当局の描くシナリオに乗らなければならないという
   ことだ、と中村先生に教えてもらった。(p26)


■ライブドア事件の概要を知るための
 一つの資料になると思います。


 本の評価としては、★2つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・"モノわかりのよい"会計士というのが会社から重宝される。
   ・・・悪く言えば「会社に都合のよい会計処理を屁理屈をこねて、
   "適正"と言ってくれる」監査人のこと(p179)


  ・監査人が厳しい態度で臨んでいれば、
   クライアントにも危機感が生まれ、
   短期間のうちに不振を脱却して、   
   会社再建も早かったと思う(p185)


▼引用は、この本からです。

ライブドア監査人の告白
田中 慎一
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 75882
おすすめ度の平均: 4.0
5 客観的なライブドア
4 読む価値はある本だが、著者のその後には注意
4 本当の巨悪はどこにあるのか
4 面白いです
3 真相は当事者じゃないと分からないけど
【私の評価】★★☆☆☆(67点)


■著者経歴・・・田中 慎一(たなか しんいち)

 1972年生まれ。
 KPMGセンチュリー監査法人(現あずさ監査法人)、
 大和証券SMBC、UBSウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、
 港陽監査法人でライブドア事件に遭遇。


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