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「「ホンダ流」個性を生かす仕事術」大河 滋

2008/07/14公開 更新
本のソムリエ
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「ホンダ流」個性を生かす仕事術 (成美文庫)

【私の評価】★★★★☆(88点)


■ホンダの営業マンが見た
 ホンダの内部の強さを
 教えてくれる一冊です。


 私には、本田宗一郎、藤沢武夫の
 偉大な経営者の個性が
 ホンダの文化を作ったように見えました。


■営業の現場では、商品も良かったのでしょうが、
 熱血・根性の営業も大きな力を
 持っていたようです。


 研修では徹夜が当たり前で、
 自主的に営業方針を考え、議論し、
 ノルマを絶対達成するという根性があったようです。


  ・所長の口癖は決まっていた。
   「どうせやるなら全国ナンバーワンを
    目指すんだ」(p59)


■こうしたホンダの文化は、
 経営者のエピソードからも、
 経営者の影響が大きいと感じました。


 本田宗一郎が叱るのは、良い車を作るため、
 車作りに命をかけているからであり、
 それが社員に口伝えに伝わっていくのです。


  ・芸者さんが三味線をひいている宴会の席で、
   若い社員たちが大声で私語をしていた。
  「我々が必死で車をつくっているのと、
   芸者さんが芸をしているのは同じことだ」
   と大きな声で社員を叱ったのは
   本田宗一郎だった。(p64)


■著者は、技術屋ではなく営業出身のためか、
 方法論よりも精神論が多かった印象でした。


 ホンダを知りたい人なら必読の一冊だと感じました。
 本の評価としては、星4つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・異動や組織変更は、ホンダでは日常茶飯事だ。
   定期異動といった考え方ははなからない。・・・
   必要があればパッとつくるし、
   役目が終わればパッと解散する。(p24)


  ・本田宗一郎氏が健在な頃、
   ある大手企業を辞めてホンダに
   入社した人が一番驚いたのは、
   工場の中を本田氏が白い作業服を着て
   一人で歩いていたことだという。(p74)


  ・部下が上司にお中元やお歳暮を贈る習慣もないし、
   年賀状のやりとりもほとんどない・・・
   出張に行ったら・・
   「お土産は遊びのときに買うものだぞ」
   とたしなめられる(p96)


  ・社員運動会に参加した子供の一人が
   ツギをあてたパンツをはいているのを見て、
   藤沢氏は、帰宅してから
  「新しいパンツさえ買ってやれないような
   経営しかできない私は、最低の経営者だ」
   と夫人の前で泣き続けたという。(p66)


▼引用は、この本からです。
「ホンダ流」個性を生かす仕事術 (成美文庫)
「ホンダ流」個性を生かす仕事術 (成美文庫)
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大河 滋
成美堂出版
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【私の評価】★★★★☆(88点)



■著者経歴・・・大河 滋(おおかわ しげる)

 1941年生まれ。本田技研工業株式会社入社。
 営業部勤務。研修センター専任講師。退社後、
 ホンダクリオ店常務取締役、代表取締役、
 ホンダプリモ店専務取締役を歴任。
 現在は、「マネジメントコンサルタント」社の代表取締役。


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