「となりの韓国人 傾向と対策」黒田 福美
2008/01/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
■日本人が海外で仕事をすると、
日本の仕事のやり方を標準として考えると、
イライラすることがよくあるはずです。
計画を立てて、それを実行していくのは
当然と思えるかもしれませんが、
それを普通に実行できる国は少ないのです。
完璧を目指す日本人から見れば、
韓国では怠慢のように見えるらしく
補正して見てあげる必要があるのでしょう。
・韓国人は取りあえず「努力して最善を尽くした」ことをもって良しとする・・・しかし、いつでもいきなり百点を目指す日本人には、韓国人のそういうやり方はどうにも怠慢に見え・・・苛立ってしまう。(p8)
■著者は、日韓のテレビ番組や、
合作ドラマなどに出演しながら、
韓国と二十年以上にわたって
係わってきました。
実際に韓国で生活し、仕事をしてみると、
日本と韓国の文化に違いに驚く一方、
日本人の偏見にも気づくことがあったようです。
たとえば日本では多数決の力が強いように
感じますが、韓国ではトップダウンで物事が
決まることが多いとのことです。
・日本では合議制で様々な手続きをふみ、各方面の了解と許可をとってから決定されることが、韓国ではトップにいる人の「鶴の一声」で決まるということがおうおうにしてある。・・・けれどもしその「鶴の一声」が通用しなかった場合は悲惨だ。(p31)
■この本では、著者の実体験をもとに、
韓国人の良いところ、
悪いところ(理解しにくいところ)を
実例をもって教えてくれます。
たとえば、分かち合うことをよしとする
韓国人と日本人が一緒に住むと、
韓国人は自分のものは相手のもの、
相手のものは自分のものといった行動を
とるということなどは、
人から言われて理解できる範囲を
超えているはずです。
・下宿の一部屋に韓国人と日本人の学生が相部屋で住んでいるとしよう・・・李君はしょっちゅう太郎君が買い置きしておいたものまで食べてしまう・・・「分かち合い文化圏」の李君にとっては、「君のものは僕のもの」といってもいいくらい所有権の境界がぼやけているのだ。(p87)
■この本では、韓国文化の紹介が中心となっていますが、
韓国文化の特色を教えてもらうなかで、
日本の特殊性についても気づく
きっかけになると思いました。
海外で仕事をする可能性のある人、
海外旅行が好きな人にお勧めします。
★3つとしました。
この本で私が共感した名言
・彼らにとっては喧嘩さえも相手の腹の底まで理解しようとする「コミュニケーション手段」の一つなのだ。・・・しかし日本の社会では「率直に意見を述べる」とそれだけで「気が強くて難しい人」だと敬遠される。(p16)
・韓国では「冷や飯」は食べないというこだわりがある。・・・そんな彼らの目には、日本人がおにぎりと缶入りのお茶なんかで食事を済ませる姿は、超悲惨で「貧しく不健康な食事」(p43)
・「兵役が二十六ヵ月ってホント?」「ええ・・・」・・・「・・・休みってないの?」「あります。年に十日くらい」・・・「・・・お給料ってあるんでしょう・・・」「・・・千円くらいかなあ」「一日に?」「いえ、一月に」(p200)
▼引用は、この本からです。
講談社
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
著者経歴
黒田 福美(くろだ ふくみ)・・・1965年生まれ。大学卒業後、映画、テレビドラマなどで活躍する一方、芸能界きっての韓国通。1988年ソウルオリンピックでは韓国番組を数多く企画。1999年、2002年のFIFAワールドカップでは日本組織委員会理事。
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