「地球大予測2オーケストラ指揮法」高木 善之
2006/02/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
●中学から大学まで合唱に取り組んできた高木 善之は、
松下電器に入社し、全社組織の大合唱団を創設します。
そして、初代の常任指揮者となります。
「日本一の合唱団を作ろう!」と呼びかけて作った手前、
高木 善之は、指揮者として厳しい練習を団員に課しました。
理想の音楽を求めて、団員を指示、指導したのです。
●その頃の指導方法は、自分のイメージどおり団員を指揮し、
細かな失敗も指摘するというものでした。
コンクールで勝つためには、
厳しい指導は当然と考えていたのです。
その甲斐もあって、合唱団はコンクールで初年度から六位、
そして五位、四位とランキングを上げていきます。
しかし、どうしても優勝できない。
●そんなとき、高木 善之はオートバイで事故を起こします。
頚骨損傷、手首の粉砕骨折、骨盤骨折、右足が抜けて動脈切断という
瀕死の重傷です。一生寝たきりの可能性もあるという状態でした。
病院のベッドに寝たきりとなった高木 善之は、悔やみます。
家族ともっと触れ合っていれば・・・
合唱団のみんなにもっとやさしくしていれは・・・
あの人と・・・
・何もできなくなってはじめて、自由な身体の大切さを知りました。
「あの時、なぜあれをしなかったのか」と悔やまれることが
たくさんあることに驚きました。(p155)
●そして自分との対話がはじまったと言います。
なぜ、わたしは悩んでいるんだろう。
なぜ、わたしは勝ちたいのだろう。
どうして音楽をやっているの?
何のために生きるの?
幸せとは?
・ああ、勝ちたいからじゃない。僕は音楽が好きだからやってるんだ!
子供の頃、蓄音機で聞いた『月光の月』に感動した。・・・
だからピアノを始めたんだ。・・・それなのに僕は・・・。(p173)
●高木 善之は悟ります。
自分は、音楽を好きでやってきた。感動できる音楽を求めてきた。
それなのに、自分はコンクールで勝つという間違った目標に向かっていた。
・ごめんね、僕が間違っていた。
喜びを求めてきた人に、喜びを与えるのが指揮者の務めなのに。
それなのに僕は、喜びを奪っていたのだ。(p175)
●事故から半年後、高木 善之は自分自身と対話しながら、
自分だけが幸せな社会ではなく、みんなが幸せになる社会
の実現に向けて生きていく決心をしました。
すると不思議なことに、決心した時を境に、身体が回復しはじめました。
切断の可能性の高かった右足も回復し、車イスに乗れるまでに
なりました。
・生きるってすばらしい!(p205)
●事故から1年、高木 善之は合唱団に復帰します。
指揮法は変わりました。
・「自由に表現してみてください」
「一人ひとりが最高の演奏をしてください」
「何か意見はありませんか、他にありませんか」(p215)
●そしてコンクールでは、勝ち負けにこだわらず、
最高の音楽を演奏することに集中しました。
・・・・・・・そして、優勝!!(涙)
●若くして大病になった人が、それを境に、大成するという話をよく聞きます。
死を直面しながら、自分の人生を考える時間が
その人を変えるのでしょう。
この本を読めば、病気にならずとも、自分の人生を考える
きっかけになると思います。その意味で、★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・幸せか、不幸かも自分の価値観(モノサシ)によって、自分が
決めているだけなのです。あらゆる不幸は、価値観(モノサシ)
によって作られているだけなのです。(p280)
総合法令出版 (1996/08)
売り上げランキング: 62,401
本書は、人間関係で必ず参考になります。
指揮者になるには?
●著者経歴・・・高木 善之
1947年生まれ。大学卒業後、松下電器入社。松下中央合唱団を創設し、
指揮者として活躍。1981年交通事故で瀕死の重症となるが復活。
ネットワーク「地球村」代表として、地球環境問題に取り組む。
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