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「ピンチはチャンス!―逆転の経営学」米山 稔

2005/10/31公開 更新
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ピンチはチャンス!―逆転の経営学

【私の評価】★★★☆☆(79点)


●ヨネックスといえば、テニスをする私にとっては、
 打ちやすいラケットの定番です。


 新潟県の小さな会社から
 ここまで大きくなったのですから驚きです。


●しかし、実際のヨネックスの経営は、
 倒産の危機が何回もあったようです。


 その倒産の危機を全て会社発展の基礎としてきたのが、
 米山さんなのです。


 たとえば、商品が陳腐化し、
 突然売れなくなれば、
 市場の情報収集の大切さを理解する機会とする。


・世の中は、毎日変わっていくものだ。
 経営者がその変化に気づかない場合、
 会社は必ずピンチを迎える。
 これは、社長業五十年間から学んだ
 私の経営哲学である。(p21)


●工場が火災で全焼することがあれば、
 三日で工場を作り、最新の機械を導入する。

 親会社が倒産すれば、
 自社ブランドを立ち上げるきっかけとしたのです。


・異国のホテルで、単独で世界に挑戦する決意を固めた。
 心を切り替えた私は、翌日からロンドン市内の
 スポーツ用品店をかたっぱしから回った。・・・
 すると、面白いもので、あるイメージが閃いてくる・・・
 最初は、苦し紛れの小売店巡りだったのに、市場の実態と
 選択すべき戦略が浮かんでくるから不思議である。(p49)


●なぜ、このように強く生きることができたのか?
 と著者が考えると、
 「志」の大切さを教えてくれた先生がいるそうです。


 良い意味でのマインドコントロールなのでしょう


・難波先生は、・・・
 生徒に夢を持たせるのが上手だった。・・・
 機会あるごとに、「少年よ、大志をいだけ」
 「どんなことでもいいから、日本一になれ」と
 "志の大切さ"を教えてくれた。(p132)


●ピンチがチャンスなら恐れることはない。
 逆に、順調なら恐ろしい。


 そうした人生の機微を教えてくれる良書として
 ★3つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・大切なのは変化することが正しい、
 変化は当然
、と骨の髄まで認識させることだ。(p25)


・辛くて辛くてどうしようもないときに、
 救いの手をさしのべてくれる書物に出会い、
 吸い込まれるようにして読み切り、
 そこから光明を見いだした経験を持つ人は、
 読書に楽しみ以上の何かを求めるようになる。
 そうなると、読書は人生、経営の道標になってくる(p165)


・かつて、バトミントンラケットを海外に輸出する際、
 山ほどの検査を通過しなければならなかった・・・
 これでは『ラケットの輸出に破れて検査機構あり
 になってしまう(p174)


ピンチはチャンス!―逆転の経営学
米山 稔
毎日新聞社
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【私の評価】★★★☆☆(79点)


●著者経歴・・・米山 稔

 1924年生まれ。沖縄戦線から復員後、家業の木工業を継ぐ。
 1956年バトミントンラケット、1969年にテニスラケット、
 1982年にゴルフクラブに進出。「ヨネックス」を世界ブランドとする。


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