「「裸のサル」の幸福論」 デズモンド・モリス
2005/10/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)
要約と感想レビュー
■イギリスの動物学者が語る
人間は裸のサルにすぎないという
テーマのエッセイです。
確かに人間は野生から社会を
作り上げる中で,狩猟から耕作,
そして工場労働へと生活を
変化させてきました。
・狩猟生活への移行から生じたもうひとつの結果が,「好奇心」の劇的な増加です。我々は,自らを取り巻く世界を探求・調査したい・・(p17)
■そうした動物学から見れば
幸福とは種が反映するために作られた
誘惑であるともいえます。
幸福を求めることを欲求とすれば
欲求というものを簡単に
否定すべきものではないと感じます。
なぜなら,そうした欲求には
長い歴史の中で何らかの意味を
もっているはずだからです。
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この本で私が共感した名言
・農業革命が人類の大多数に恐るべき暗い影を投げ掛けました・・・果てしなき繰り返しの続く退屈な野良仕事に身をやつしているのです・・・産業革命の結果,状況はさらに悪くなりました。工場労働者たちは・・・頭を使わないもので,あらゆる類のゴールは彼らの与り知らぬところにありました(p28)
・他の霊長類に比べ圧倒的に長い人類の寿命は,部分的には「祖父母によるサポートの仕組み」として生じてきたように思います・・・人間の女だけが前の子供が未成熟なままで続けて子供を産んでいる,ということを思い出してください(p52)
・画家のフランシス・ベーコンは,「特別なもの」の追求のために「平凡なもの」を無視することができた人物の一人です。晩年になって,絵が一枚数億円で売れるようになっても,狭苦しいスタジオの隣の寝室と居間が兼用になった小さな部屋に住んでいました(p89)
・コメディ映画を楽しんだ人たちは免疫システムの活動が40%も活発になり,ストレスホルモンも軽減されていた(p114)
・ケネディ大統領はかつて,毎日違う女性を,出来れば2人を同時に相手にしていないとひどい頭痛に苛まれる,と告白したことがあります・・・ピカソの旺盛な性欲は,友人の一人によれば「何かに取りつかれたよう」でした(p133)
▼引用は、この本からです
【私の評価】★★☆☆☆(67点)
目次
第1章 幸福は何から生じるのか
第2章 幸福にはどんな種類のものがあるのか
第3章 幸福の特徴とは何なのか
第4章 幸福の定義集
著者経歴
デズモンド・モリス(Desmond Morris)・・・1928年生まれ。英国の動物行動学者。オックスフォード大学で動物行動学の博士号を取得し、その後テレビの動物番組の解説者を務める。
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