「りんごは赤じゃない―正しいプライドの育て方」山本 美芽

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りんごは赤じゃない―正しいプライドの育て方

【私の評価】★★★★★(91点)


●かつて神奈川県の中学校に、
 美術のコンクールで入賞者を大量排出した
 太田さんという教師がいました。


 しかも、生徒が荒れているような中学校でしたが、
 美術の授業だけは、生徒が姿勢を正して
 集中して授業を受けていたそうです。


・太田は「ふざけ半分」の態度を、絶対に許さない。
 そのような態度が見られるあいだは、授業をしないし、
 大事なことも話さない。(p24)


●授業では、草をスケッチするならば、
 外に出てよく観察させる。


 「草の気持ちになってみて」とアドバイスする。


 そうした授業の中から、子どもは草と対話をして、
 考えていったそうです。


・草が一本一本すべて違うように、
 人間もひとりひとり違っている。
 みんなだってそうだよね。違うことって、なんて
 すばらしいんだろうね。(p41)


●また、美術なのに「調査研究」を
 取り入れていました。


 ・・・すばらしい。


・何を調べなさい、どこまで調べなさい、
 先生はそういうことをいっさい言いません。
 それはあなたたちが自己決断することなの。
 自分が必要だと思ったところで決断するのよ・・・
 「調査研究」(p57)


●しかし、太田さんは2001年に退職し、
 教育システムの外に道を求めました。


・コンクールといった、目に見える形で優れた指導力を残しても、
 教師社会の中で評価してもらえることはなかったのだ。
 太田は、次第に教師社会に絶望感を
 感じるようになっていた。(p192)


●そういえば社会人校長で、すぐに自殺なさった人もいましたね。


 良いものが淘汰され、外にはじきだされるのであれば、
 教育は学校の外に求めるしかないのかもしれません。


 教育議論は別にして、
 私も教わりたかったなとおもう美術の授業の
 秘密が書かれた本として★5つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「あなたたちには心がありますね。
 それと同じように、先生にも、美術室にも、心がある。
 それなのに、その態度は・・・!あなたたちは、美術室で
 待っている先生の心を踏みにじったんですよ」(p19)


・生徒がいい加減な態度を見せたときに教師が
 「だめ、やり直し」と命じるのは、よくあることだ。
 しかし太田はそんなとき「だめ」ではなく
 「イヤだ」という。(p22)


・二学期、三学期になっても、太田はいつも
 授業の前には顔写真入りの名簿を確認して、
 子どもの顔と名前がスラスラ出てくるように
 努力する。(p181)


・太田は、美術でプロセスに没頭する体験をさせて、
 結果だけを追い求めていては
 決して到達できない領域まで、
 生徒を踏み込ませるのだ。(p144)


りんごは赤じゃない―正しいプライドの育て方
山本 美芽
新潮社 (2005/06)
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おすすめ度の平均: 4.8
5 かつて生徒だった全ての大人たちへ
5 地道な実践の記録
5 新任教師に差し上げたいものです。

【私の評価】★★★★★(91点)



●著者紹介・・・山本 美芽(やまもと みめ)

 1971年生まれ。大学卒業後、中学校の臨時教諭、養護学校教諭を
 経て、執筆活動を始める。現在は主に音楽雑誌に寄稿している。


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