「逆転 バカ社長―天職発見の人生マニュアル」栢野 克己
2005/07/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
疲れる本です。それも良い意味で。私が読むのに1週間かかりました。栢野さんが「九州ベンチャー大学」で知り合った24名の社長の人生を書き綴ったものですが、一人ひとりの物語に波乱万丈があり、読んでいて疲れます。考えさせられます。
例えば、社員に向かって「なぜ、基本が守れないのか」と叱りながら、よく考えてみると、自分が実行していないことに気づいて、事務所のトイレを毎朝七時から素手で掃除している社長。小学生以下三人の子供も抱えていたのに自動車会社の次期社長の座を捨てて、たこ焼き屋をやることにした社長と、「それはいいわよ。ぜひやりましょう」と言った女房。どの社長も、どう生きていけばいいのか悩んでいることがわかるのです。
・10年後の自分を考え、本当に自分がやりたいことができるのかと自問自答しました。もっと自由に、世の中を変えるような仕事をしたい。その結論が、自由診療の美容外科への転身です。(山川雅之)(p179)
さらに、それぞれの社長人生から得た教訓も素晴らしいものが、たくさん書かれてあります。例えば、成功しても生活態度を変えないこと。普通の人は、お金持ちになると、すぐに高級車や夜のクラブ、酒やバクチに溺れる人が多いのだというのです。そして本業も没落していくのです。
・人間は、失って分かる事が多い。倒産してわかる。毎月の給与も、実は奇跡で有り難い。沢山あるお店の中から選んでくれたお客に、来店を有り難い、奇跡だと思って頭を下げるのと、そうでないのは大違い。(宮崎栄二)(p225)
1500円ではあまりに安すぎる内容です。社長業の厳しさが伝わってきました。文句なく★5つの評価としました。
この本で私が共感した名言
・調子に乗るのではなく、常に先を考えて手を打たないと(本房周作)(p30)
・独立に際しては、前の会社やそれまでの業界の常識を反面教師にした。1 出荷証明書の発行。外壁塗装業界では、規定の塗料を10倍に薄めるのが常識。それが現場で出来ないよう、メーカーから顧客へ直接、塗料の出荷証明書を送らせるようにした。(小笠原良安)(p122)
・「矢頭さん、あんたの天職は何かね?」。「うーん、いろいろあって、わかりません」。「何ができるのか?何が得意なのか?矢頭さん。あんたは今まで何をやってきたのか?お前ができることで、何がお客の役に立つのか?」。(p154)
・「30歳で会社を設立。40歳で事業を軌道に乗せ、50歳で果実を実らせる。その後の60歳には引退し、70歳までは嫁さん孝行、あとはおまけだ」(久保田耕作)と一生の計画を立てる。 (p190)
・「尊敬する父と共に、仏壇を通して社会に貢献する。日本の心をつくる。強くそう思っていました」(長谷川裕一)。どこまでも純粋なのだ(p274)
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【私の評価】★★★★★(90点)
目次
第1章 バカは貧乏に学ぶ
第2章 バカは受験失敗・無学歴に学ぶ
第3章 バカは就職失敗で学ぶ
第4章 バカは転職失敗で学ぶ
第5章 バカは脱サラ失敗に学ぶ
第6章 バカは経営危機に学ぶ
第7章 バカは倒産で学ぶ
第8章 バカは家業の限界に学ぶ
第9章 バカは病気に学ぶ
第10章 バカは海外放浪に学ぶ
著者経歴
栢野克己(かやの かつみ)・・・零細起業コンサルタント。昭和33年11月生まれ。福岡県出身。立命館大学経営学部卒。ヤマハ発動機・リクルートエイブリック・コンピューターシステムリース・ミッド・職業相談業・フリーライター・アド通信社を経て、平成7年独立。(株)インタークロスを創業。中小零細・ベンチャー企業を専門に、弱者必勝のランチェスター戦略・販促・集客のコンサルティングを実施。平成4年より、起業ビジネスセミナー&異業種交流会「九州ベンチャー大学」を11年間にわたり毎月、計130回近く主催。大学・商工会議所等の講師・相談員も歴任。「人生を逆転する!九州ベンチャー大学」(ケーブルテレビJ‐COM福岡で放映)ではキャスターを務める。ベンチャー起業月刊誌「フォーネット」やネット各誌で連載多数。年間講演回数は約100回、「弱者必勝の経営戦略」「逆転の人生戦略」をテーマに、全国の商工会議所やJC・各種団体・民間企業・学校を奔走している
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