「水力発電が日本を救うー今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせる 」竹村 公太郎

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水力発電が日本を救うー今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせる

【私の評価】★★★★★(90点)


■不安定電源である太陽光や風力が
 固定価格買取制度という法律により
 開発され、電気は不安定となり
 料金が高くなっています。


 電力系統では不安定電源と同量の
 バックアップ電源が待機していますが、
 それでも電気が余ったり、
 電気が足りなくなる危険性が
 高まっているのです。


 未来の電力供給を救えるのは
 不安定な太陽光や風力ではなく
 水力であると断言した一冊です。


 なぜなら水力は安価な再生可能エネルギーで、
 ダムさえ造れば100年以上使えるうえに、
 発電量を調整できるからです。


・日本のダムは半永久的に使える。
 たとえ100年経っても、ダムは水を貯めている。
 ダム湖の水を電気に変換できる(p6)


■多くの土地を水没させるダムを
 新しく造ることはハードルが高いものの、
 現状のままで水力発電容量を
 高める方法が3つあります。


 その方法は、次の3つです。
 1 ダムの嵩上げ
 2 多目的ダムの治水容量を撤廃して
   事前放流を拡大すること
 3 発電していないダムで発電すること


 ダムの嵩上げでは、
 はたった10%の嵩上げで
 発電量は約70%も増えるらしい。


 治水容量は大雨の備えですが撤廃し、
 大雨の予報に基づき予備放流すれば
 よい。ただし法律の壁があるという。


 発電していないダムでの発電については、
 小水力を作っていくことになります。


・わざわざダムのスペースを空けておくのは、
 大雨のときにはそこに水を貯めて、
 川の氾濫を防ぐという目的があるからだ・・・
 多目的ダムは、利水と治水の両方を
 目的として造られている。
 矛盾した二つの目的があるため、
 両者の折衷案として、
 ある程度の水は貯めるものの、
 ある程度は空にしておくしかない(p24)


■固定価格買取制度(FIT)では
 発電量を調整できない太陽光や風力に
 水力よりも高い値段をつけているのは
 本当に残念なことだと思います。


 なぜなら、水力こそが100年以上
 使える安定した電源であり、
 国の財産だからです。


 大量につくられた太陽光、風力が
 100年後にどうなっているのか
 法律を作った人には
 イメージできなかったのでしょう。


 竹村さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・石油などは100年後、200年後に
 本当にあるだろうか。
 今と同じように安価で手に入るだろうか・・
 そんな時代になったら、必ず、
 水力発電が必要になる(p5)


・ダムが壊れない理由
 1 コンクリートに鉄筋がない・・
 2 基礎が岩盤と一体化している・・
 3 壁の厚さは100m・・(p70)


・逆調整池ダム・・・
 既存の水力発電ダムがあるとする。
 その下流に小さなダムを造っておき、
 電力需要のピークの2時間程度、
 上流の水力発電ダムから大きく放流して
 ピークの電力需要に応えるのだ(p79)


・多くのダム湖の水は半分くらいしか
 貯まっていない。・・
 雨量が多い時期には、ダムから放水して、
 ダムの空の容量を維持している・・
 法律で決まっているからだ(p21)


・今、「特定多目的ダム法の改正をすべきだ」
 と、国土交通省の後輩たちに行ったとすると、
 彼らは口には出さないが内心で「先輩、
 勘弁してください。それより予算を確保して
 事業を進めるのが最優先です」と思っている(p31)


・国と県の河川管理者は、自らが水力発電を
 開発する立場にない。誰かが水力を開発したいと
 申し出るのをただ待っていて、許可を与える、
 または不許可にする行政行為を行うだけだ(p39)


・多目的ダムには治水という目的もあるので、
 洪水をダム湖に一時的に貯めて安全な量を
 下流に放流するための「洪水吐」という
 特別な穴が用意されている。この洪水吐から
 大量の水を排出するとき、同時に、
 ダム湖の土砂が大量に外へ出ていくのだ。
 だから、多目的ダムでは土砂は堆積しにくい(p74)


・ダムは半永久的に使えるから、
 最初に費用が支払われれば、
 以降は支払う必要がない・・・
 将来にかかる経費を見ると、
 発電設備などの機械の更新・・・
 水力は圧倒的に安価になる(p90)


・小水力発電の収支・・・
 500kW規模の水力発電を行うとする・・
 工事費は・・平均的なところで
 およそ7億円と仮定する・・
 年間の売電収入が大体7300万円・・
 6000万円を返済に回すと、1300万円が残る。
 そこから発電施設の維持費として
 人件費等で年に600万円ほど引くと、
 残りは700万円になる。
 15年から18年で償却できる・・・
 債務がなくなった後は、
 6000万円の返済は必要なくなる。
 発電所は、機械の維持修繕や機械の
 更新を行っていけば100年はもつ(p170)


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■目次

序 100年後の日本のために
第1章 なぜ、ダムを増やさずに水力発電を二倍にできるのか
第2章 なぜ、日本をエネルギー資源大国と呼べるのか
第3章 なぜ、日本のダムは二〇〇兆円の遺産なのか
第4章 なぜ、地形を見ればエネルギーの将来が分かるのか
第5章 なぜ、水源地域が水力発電事業のオーナーになるべきなのか
第6章 どうすれば、水源地域主体の水力発電は成功できるのか
終章 未来のエネルギーと水力発電



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