「渋滞学」西成 活裕

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渋滞学 (新潮選書)

【私の評価】★★★★☆(80点)


■「渋滞学」という
 学問があるらしい。


 渋滞学が取り扱うのは、
 車の渋滞、群衆の動き、
 インターネットのデータ転送、
 火災の延焼などと幅広い。


 面白いところは 
 モデル化できるところと、
 人の心理が関係するものがある
 ところでしょうか。


・臨界密度付近では、一番左の走行車線を走る車が
 一番少ない、というのも分かっている。
 これらの結果から、とにかく我々は
 「速く行こう=右へ」という無意識に近い
 判断をして運転していると思われる(p65)


■興味深かったのは、
 避難口の付近に障害物を置くと
 避難時間が短くなるケースがあること。


 障害物がないと、
 群衆が一カ所に向かって
 アーチ状に固まってしまうらしいのです。


 障害物という制約があったほうが、
 アーチ状の固まりが作られず
 スムーズに動けるらしい。


・通路の中央に柱を配置するのも
 レーンを形成を促すのに有効だ。
 まるで道路の中央分離帯のような
 効果があるのだろう(p112)


■粒子が動く、人が動くということは、
 なかなか計算できないという。


 固まりは簡単ですが、
 粒子になると異なる動きを
 するわけです。


 物質や力の根源が
 まだ完全にわかっていないのには
 こうした原因があるのかもしれません。


 西成さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・渋滞への相転移・・臨界密度は・・
 1車線で1kmあたり約25台・・
 車間距離でいえば大体40m以下に
 なったときが渋滞(p48)


・密度が低いうちは、交通法規にしたがって
 ほぼすべての車は走行車線を走っている・・
 だんだん混んでくると・・追い越し車線を
 走る車の数が走行車線よりも多くなる・・
 車間距離でいえばおよそ200mだ・・(p65)


・渋滞原因の第1位である「サグ部」とは・・
 sagとは、棚などの真ん中の部分が
 重みで「たわむ」という意味だ・・
 100m進むと1m上昇または
 下降しているぐらいの坂道がサブ部(p42)


・バスの場合、現在行われている
 ダンゴ運転の解消方法は、
 車間距離が詰まってくればその間隔を
 調整するためにわざと停止して、
 クラスター化を避けることだ・・
 利用客の評判は良くない(p141)
 

・信号機がたくさんある道・・
 スルーバンド・・・グリーンウェーブ・・
 違反速度で早く通り抜けてゆこうとする
 車は赤信号でかならず引っかかるように
 してしまうもの(p69)


・山全体に燃え広がらないための条件は
 どういうものだろうか・・・
 土地を正方形のセルで分割し、
 その格子点に木を植えるとする・・
 火は上下左右の木のみへ燃え移り、
 1時間ステップ後に消える・・
 植林の割合が何%以上になれば、
 左端の火が右端に達するのか・・
 この60%というのが、パーコレーションが
 起きるかどうかの臨界値・・(p189)


・ちなみにエレベータも
 日本は閉めるボタンがあるが、
 ドイツでは閉めるボタンはない。(p177)


・一つの交差点に信号機を作るコストは
 700万円ぐらいかかるそうだ・・(p74)


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【私の評価】★★★★☆(80点)

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■目次

第1章 渋滞とは何か
第2章 車の渋滞はなぜ起きるのか
第3章 人の渋滞
第4章 アリの渋滞
第5章 世界は渋滞だらけ
第6章 渋滞学のこれから



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