「蔦重(つたじゅう)の教え」車浮代

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蔦重の教え

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■現代のサラリーマンが
 江戸時代にタイムスリップして、
 江戸の知恵を学ぶ時代小説です。


 歌麿、写楽の浮世絵を出版した
 蔦屋(つたや)重三郎(蔦重)
 と出会い、弟子入りします。


 当時の版元では、本を売るだけでなく
 出版物の版木を彫る掘師と、
 それを摺る、摺師が作業する
 製造部門が併設されていました。


・木版で印刷物を作るという手間は
 活版印刷の比ではなく、私の想像を
 絶する匠の技の結晶だった・・
 文字の一つ一つ、髪の生え際の毛の
 一本一本を反転させて板に彫り込む・・
 一ミリの間に髪の毛三本が掘られ、
 目詰まりさせずに摺られている技術や、
 色を一色ずつ、何色も重ねて摺っていながら
 一ミリのズレもない技術を見て、欧米の人々が、
 なぜあれほど浮世絵収集に熱狂したか、
 その意味がわかるような気がした(p156)


■蔦屋重三郎は、遊郭吉原の
 ガイドブック編集長から
 版元となった成り上がり者です。


 多色摺りの錦絵を中心とした
 狂歌絵本を出版したり、
 歌麿を売りだしたり
 新しいジャンルを切り開いて
 行きました。


 有力者を接待し、
 絵の上手い職人を探し出し、
 歌のうまい人に書いてもらう。
 まさに出版社の経営者なのです。


・私は蔦重に出会った当初、
 『世の中の全ての人を、悪人だと思え』と
 教えられました。・・
 周りを全て悪人だと思えば、甘えが消え、
 人に騙されなくなります。
 また、善人に出会って親切にされた時には、
 期待していなかった分、感謝の気持ちが
 何倍にも膨れ上がります(p111)


■江戸時代にタイムスリップすることで、
 江戸の生活がリアルに
 伝わってきました。


 自由競争というよりも
 義理と人情の世界も
 日本らしいと思いました。


 車 さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・けどよ、人ってのは失敗したり騙されたりして、
 怒りや悔しさを腹に溜めるから、なにくそ!
 っつって伸びんじゃねえのかい?(p40)


・『やりもしねえで、知ったようなことを
 ぬかすんじゃねえ
』は、
 蔦重がよく使う小言の一つだが、
 まさしくその通りだと思う(p270)


・手紙の最後で蔦重は、
 「上から見下ろす眺めと、
 下から見上げる眺めとは、遥かに違う」
 と教えてくれた。(p361)


・いいんだぜ、俺を恨んでも。
 怒りや悔しさってのは、
 何よりの力になるからな。
 大事なのはその時の感情を
 覚えているこった(p159)


・いい機会だから教えておいてやる。
 天分に甘えちゃならねえ。
 人ってのはたいがい、
 得意なモンや好きなモンで
 大きな失敗をするもんだ(p167)


・『情けは人のためならず』って言うだろう?
 おめえが前を向いている限り、
 俺はできるだけ後押ししてやるよ。
 今の俺も、そうやって支えてくれた
 人様のおかげでおうしていられる。
 『恩送り』とも言うがな、
 かけてもらった恩は下に送らなきゃなんねえ
し、
 人にかけた情けは、
 いずれてめえに返ってくる。
 それが徳を積むってこった(p208)


・江戸の人々は、しばしば『今日様
 (こんにちさま)』という言葉を使う。
 朝起きるとまず、お天道様に向かって
 『今日様、今日もよろしくお願いします』と拝み、
 『生きていられるのは今日様のおかげだよ』
 と諭し、『今日様に申し訳ないよ』と
 小言を言う(p268)


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