「蜜蜂と遠雷」恩田 陸

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蜜蜂と遠雷

【私の評価】★★★★☆(80点)


■世界の天才が集まる国際ピアノコンクールに、
 伝説の音楽家ホフマンの推薦状を
 持つ謎の男がエントリーした。


 彼は、養蜂(ようほう)家に生まれ、
 自然の中で育ち、ピアノさえ
 持っていないという。


 人は彼のことを
 蜂蜜王子という。


 ホフマンは生前、
 「爆弾をセットした」
 と謎の言葉を残していた。


 爆弾とは彼、蜂蜜王子のこと
 なのでしょうか。


・一人一人の音楽は違っているのに、
 数日後にはまた誰かが落とされる・・
 比べようのないものを比べられ、
 順位がつけられる。
 「コンクールって、ほんと、
 不条理だよね
」(p206)


■ピアノコンクールは、
 不条理の世界です。


 ある程度の技術を極めれば、
 何を基準に順位を決めるのか。


 サッカーやフィギュアのような
 ある程度明確なスポーツでさえ、
 審判の公平性が問題となるくらいなのに、
 音楽であえればなおさら
 判断基準はあいまいになっていきます。


 そうした中に、技術を超越して
 独創的な演奏をする蜂蜜王子は
 審査員に混乱をもたらします。


 彼をどう評価するのか、
 審査員が試されるのです。


・これだけ技術が拮抗していると、
 あとは何かが「引っ掛かる」
 というところでしか
 比べることはできない・・
 合格ラインを隔てるのは、
 ほんのわずかな差での争いになる(p18)


■参加者の心の動きに加えて、
 その場面で演奏されている曲を
 youtubeで聞きながら読みました。


 クラッシック音楽の楽しさを
 知るための入り口になる
 一冊だと思いました。


 恩田さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・コンサートピアニストは並みの神経では
 こなせない。プレッシャーの厳しい
 コンクールを転戦して制するくらいの
 体力と精神力の持ち主でない限り、
 過酷な世界ツアーをこなすプロの
 コンサートピアニストはむつかしい(p15)


・今、みんなが音楽に求めているのはドラマなのよ。
 高島君みたいに、家族を持っててコンクールに
 出るっていうの、共感呼ぶと思うな(p52)


・何かが上達する時というのは階段状だ・・
 弾けども弾けども足踏みばかりで、
 ちっとも前に進まない時がある。
 これがもう限界なのかと絶望する時間が
 いつ果てるとものなく続く。
 しかし、ある日突然、次の段階に上がる
 瞬間がやってくる(p329)


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【私の評価】★★★★☆(80点)



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