「外資系金融の終わり」藤沢 数希

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外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

【私の評価】★★★★★(92点)


■この本を読んで、
 世の中の本質は、単純なのかもしれない。

 そう思いました。


 宝くじの胴元が確実に儲けられるのと同様に、
 金融も儲かるのです。

 なぜなら、博打をして儲けたら自分のもの。

 損したら公的資金で救済されるからです。


・日本の銀行がほとんどゼロの金利で預金を集めて、
 それで日本国債を買う、という簡単なお仕事をしているとき、
 世界の銀行は・・・借りてきた金で
 世界のマーケットで博打を打っていた(p89)


■著者は年収5000万円のトレーダー。

 イメージとしては年5億円を稼いで、
 5000万円の給料をもらう。

 ただし、損をしたときは
 クビになります。


 そうであれば、
 リスクを最大化して
 ガッツリ儲ければいい。

 世界では数兆円のお金に
 レバレッジをきかせた金融ギャンブルが
 行われているのです。


・儲けたときは莫大なボーナスを受け取り、
 損したときは最悪でクビになるだけのトレーダー。
 同様に儲けたときは莫大な報酬を受け取り、
 損しても、契約に基づき莫大な
 退職金まで持っていく経営者
。(p229)


■著者の視点がおもしろいのも特徴です。


 ゴミくずのような住宅ローンを集めた
 債務担保証券は、普通の女の子を集めた
 AKB48のようなもの。


 巨大企業は損失を出しても
 公的資金で救済されるという安心感があるから、
 ギャンブルをする。


 確かにそうなのかもしれません。


・アメリカでは、貧乏人の住宅ローンを寄せ集めた
 MBSのクズをさらに束ねたCDOが、
 急にアメリカ国債並みのトリプルAの信用を
 得るという奇跡が起こっていた。
 日本では、並程度の容姿の若い女を
 大量に集めて結成されたアイドルグループ
 AKB48が大ブレーク(p155)


■やや、どぎつい表現がありますが、
 そこもこの本を読みやすくしているように
 感じました。

 金融についてちょっと学びたい人に、
 お勧めします。

 藤沢さん、
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ギャンブルは時に愚か者に課せられた税金といわれる・・
 こんなボロい儲けが出る商売を民間企業に
 渡すわけにはいかないのだ。
 そして、民間の手に渡った
 ボロい儲けが出る商売が「金融」(p76)


・ユーロに加盟するには、マーストリヒト条約により、
 国の債務残高をGDP比で60%以内に抑え、
 さらに財政赤字はGDP比で3%以内に抑える・・・
 ギリシャ政府が行ったことは、なんと「粉飾」であった。
 そしてそれを助けたのがゴールドマン・サックスである(p4)


・AIGでCDSをしこたま取引して世界を破滅の縁に追い込んだ
 部署の責任者だったジョセフ・カッサーノさんは、
 300億円
ほどのボーナスをもらった後に
 会社を辞めて、悠々自適の暮らしをしているという(p18)


・日本の銀行はお金の貸し出し先がなくなり、
 日本国債をせっせと買い込むようになっていった・・・
 日本の銀行は日本国債と一蓮托生(p86)


・株式調査部なんて証券会社にある必要はなく、
 本当に価値あるリサーチなら、・・・
 有料メルマガでもやればいいではないか。
 個人投資家になってもいい。(p221)


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藤沢 数希
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