「汗出せ、知恵出せ、もっと働け!」丹羽 宇一郎、文藝春秋

汗出せ、知恵出せ、もっと働け!―講演録ベストセレクション
【私の評価】★★★★★(90点)


■世の中には、現実を直視できる人が、
 ごくわずか存在します。
 私には、丹羽さんがその人だと感じました。

 丹羽さんに見えるのは、何もない日本です。
 食料なし、エネルギーなし、水なし・・・日本にあるのは、
 「日本人」とその勤勉さに裏打ちされた「技術」だけなのです。

 ・日本人よ、目を醒ませ。日本には日本人が食っていけるだけの
  天然資源はないのだぞ。あなたがたや私たちが稼ぐよりほか、
  これを手に入れる術はないのだぞ(p2)


■日本の法制度を含めた硬直性も
 問題です。法令遵守が国を滅ぼす・・・

 あまりに官僚と法律に縛られた民間企業は、
 日本では自由に活動ができないのです。
 
 ・武田薬品は、アメリカに研究所を移して、新薬の開発をしています。
  なぜなら、日本では規制が厳しすぎて、開発ができないからです。
  ・・・日本は確実に取り残されるでしょう。(p26)


■そして、税率も高い。

 ・たとえば法人税です。・・・同じ一兆円儲けても・・・
  実効税率は韓国27.5パーセント、日本は約40パーセントですから、
  一千億円余り違うのです。(p168)


■年金をくれ、道路を作れ、医者を増やせ・・・
 と要求ばかりの日本人ですが、
 そうした日本人を叱ってくれる一冊でした。

 文句を言う前に、自分で稼いで税金を納めればいいんですよ、
 と現実を教えてくれる一冊です。
 ★5つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・1973年にアメリカで大豆の輸出が禁止になったとき・・・
  もうアメリカに頼っていてはダメだ、と思いました。(p20)


 ・アメリカでは、(臓器)移植希望者が長蛇の列をつくっていますが、
  日本人はその行列に、大金を払って割り込んでいます。・・・
  日本人は金の力で何でもやれると思っているのかと、ものすごく
  評判が悪いんです。(p25)


 ・営業は、未知数のことをやるわけですから、失敗もする。
  管理部門は文句を言うだけです。しかし、文句を言うことが
  実行力であるかのように、間違って解釈されてしまうケースが
  きわめて多い。・・・管理タイプの人がどんどん昇進していけば、
  うちは管理会社になってしまうでしょう。(p108)


 ・飲み屋のお姉さんに給料の半分を払う。独身寮に三割ぐらい
  払って、あとのニ割は本代です。・・・本には相当なお金を
  つぎ込みました。(p58)


 ・省庁間の書類の字句の修正、政治家への「ご説明」、「ご進講」、
  国会の資料作りに忙殺されて、皆さんの先輩方は、何のために
  公務員になったのかわからないような仕事をしています。(p126)


▼引用は、この本からです。

汗出せ、知恵出せ、もっと働け!―講演録ベストセレクション
丹羽 宇一郎
文芸春秋
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おすすめ度の平均: 5.0
5 広い層に参考になる内容
5 人の強さというもの

【私の評価】★★★★★(90点)


■著者紹介・・・丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)

 1939年生まれ。62年大学卒業後、伊藤忠商事入社。
 一貫して食料畑を歩む。68年から9年間アメリカ駐在。
 98年に社長就任。99年に不良資産を一括処理。
 社長任期6年の公約どおり04年から会長に退く。

─────────────────

■関連書評■
a. 「人は仕事で磨かれる」丹羽 宇一郎、文藝春秋
【私の評価】★★★☆☆

b. 「人間発見 私の経営哲学」日本経済新聞社
【私の評価】★★★☆☆


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コメント(2)

丹羽さんの本は初めて読みましたが、
本当に真っ当でごもっともで説得力がありますね。

私もやらねば!と強く思いました。

氏のいろんな講演集なのですが、
氏の主張があまりにも首尾一貫しているため、
同じことばっかりおっしゃってる感もありましたが、
一読すべき本だと思いました。

「人は仕事で磨かれる」で感動し、新作も早速チェックしました。
期待を裏切らない内容で、座右の一冊にしたいと思いました。

我々日本人は、やはり「危機感」が足りないと改めて痛感しました。
最近では中国産ギョーザの問題も話題になっていますが、
「食の安全」と「自給率」について真剣に考える必要性を感じました。

当然ながら、「人づくり」が非常に大事ですね。

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