【書評】「スタートアップ芸人 ─ お笑い芸人からニートになった 僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話」 森 武司
2026/09/30公開 更新
Tweet
【私の評価】★★★★★(95点)
Amazon.co.jpで詳細を見る
要約と感想レビュー
ヤマダ電機で事業のコツを学ぶ
著者は吉本興業のお笑い芸人になりますが、吉本若手の大会決勝で大敗。ショックを受け、そのまま4年間、引きこもりになってしまいます。著者の両親が偉いのは、そんな著者をまったく責めなかったことでしょう。父親はなんと、「おまえは天才やから、いつか大物になる」と繰り返し言っていたという。
その後、友人の手紙に勇気づけられ、著者はヤマダ電機に入社します。そして、トップ営業となるのです。ヤマダ電機では、10店舗つくって6店舗が黒字、4店舗が赤字なら、赤字の店舗を閉鎖し、黒字の6店舗を残すという事業の考え方を学びました。
つまり、いくつもの事業を立ち上げ、うまくいかないものは撤退する。そうすれば、最終的に黒字の事業が残るというヤマダ電機の考え方をパクって、著者は多くの事業に挑戦してきたのです。
仲間と街コン事業を始めた。男女100名ずつ集め、カップリングパーティを企画運営したところ、爆発的にウケた・・・ミクシィで30万人が登録する日本最大のコミュニティだ(p2)
自分より高い能力を持つ仲間を集める方法
著者は、社長の役割は「自分より高い能力を持つ仲間を集めること」だと断言しています。
そのため、顧問派遣サービスに登録している若手10人ほどと常時契約し、まず1か月一緒に仕事をする。その中で「この人はいい」となったら、3か月、半年と契約を延長していくという。
こうして優秀な人を採用した後は、その人に「あなたが今まで出会った中で、一番優秀な人は誰?」と聞き、さらに紹介の輪を広げていくのです。
採用面接では、「なぜ前の会社を辞めたのですか」と質問しながら、他責の理由が出てくるかをじっくり観察します。そして、他責思考の人は採用しないという。
つまり採用で大切なのは、能力や情熱だけではない。どんなに能力と情熱があっても、人間性に問題のある人は採用しないのです。そうした人が入ると、会社の悪口に情熱を燃やすような状況になりかねないという。
「友達と一緒に起業すると絶対失敗するからやめておけ」と言われているが、大きな間違いだ・・「仲間力=仲間をつくる力」が強ければ、どんなビジネスでも成功する(p4)
業務管理のコツ
人材と仲間意識を重視する一方で、業務管理は緻密です。日報・月報を活用し、社員一人ひとりの粗利を計算し、それを成長の指針としているという。
また、新規プロジェクトでは、「こうなったら失敗」という撤退基準をあらかじめ明確にしています。例えば、1億5000万円の予算のプロジェクトであれば、デッドラインとして、「スポンサーを5社集め、1500万円(5社×300万円)が集まらなければ撤退する」といった基準を決めるのです。
こうした緻密な業務管理を行う一方で、年1回の「全社員ヒアリング」制度を通じて、社員の知恵を集める努力もしています。著者の会社では、8人の役員が内勤社員を対象に1on1を行い、一人15分ほど、「事業をどうしたらよくできるか」をディスカッションするというのです。
入社2~3年目社員の中から「相手の気持ちになって話を聞ける人」「会社のことを理解している人」をメンターに指名する。メンター一人で3~6人の新卒の面倒を見る・・・新卒は誰に相談すればいいかが明確になった(p157)
大切なのは「絆」
著者が言うように、強い会社には、強い「絆」があるのでしょう。仲間との絆が強ければ強いほど、どんな困難な状況でも乗り越えることができるのです。
著者の会社には、CRO(最高リレーションシップ責任者)という、取引先との関係づくりを専門に行う役員までいます。社員とも、顧客とも、取引先とも、良い関係をつくる。まさに「仲間力」を経営の中心に置いていることがわかりました。
この本を読んで感じるのは、起業で大切なのは、社長の能力ではないということです。自分より優秀な人を集め、その人たちとの絆を深める力。つまり、社長の人間的な魅力が必要なのです。
森さん、良い本をありがとうございました。
| 無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信) 3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。 |
この本で私が共感した名言
・本気で起業したいなら、まずアルバイトでもパートでもいいから夢に近いところで働こう(p58)
・EC販売のツボ・・・家電の通販にはボトルネックが2つある。一つは倉庫保管料、もう一つが送料だ・・・儲かっているEC通販会社・・・上位はサプリメントと化粧品・・両方とも一個当たりの商品が小さく、倉庫代も送料も安い(p46)
・インフルエンサーへのプレゼント企画も有効だ。フォロワー数が5000~2万人くらいのインフルエンサーは起業からプレゼントをもらえる存在だとアピールしたい人が多い・・・コアなファンを抱えていることが多い(p255)
▼引用は、この本からです

Amazon.co.jpで詳細を見る
森 武司、ダイヤモンド社
【私の評価】★★★★★(95点)
目的
第1章 芸人クビの引きこもりニート、会社をつくる
第2章 タネと水で仲間を集める
第3章 仲間を見極める
第4章 仲間を成長させる
第5章 仲間との絆を深めるしくみ
第6章 顧客を仲間にする
第7章 取引先を仲間にする
著者経歴
森武司(もり たけし)・・・FIDIA(フィディア)株式会社代表取締役CEO。1977年、大阪生まれ。高校卒業後、NSC(吉本総合芸能学院)入学。4年間お笑い芸人として活動し、吉本若手の大会決勝で大敗北で引退。ショックを受け、そのまま4年間ニートとなる。高校時代の仲間、芸人時代の仲間の激励で一念発起。家電量販店の販売員を経て、2005年、幼なじみとわくわくエッサ有限会社を設立。貯金0円から起業し、現在11事業で年商146億円まで伸ばしている。化粧品、人材、広告、美容クリニック、アート、YouTubeなど11事業すべてを黒字化させた。
思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
![]()























コメントする