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【書評】「地頭スイッチ」木下 勝寿

2026/08/31公開 更新
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「地頭スイッチ」木下 勝寿


【私の評価】★★★★☆(85点)
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要約と感想レビュー


地頭スイッチとは

「株式会社北の達人コーポレーション」を創業し、100億円を超える売上を実現してきた著者から、仕事で成果を出すための「考え方」を学びましょう。


著者が仕事で重視しているのは、「効率」と「本質」です。ところが、多くの人は「地頭スイッチ」をOFFにして、深く考えず、過去の記憶や習慣だけで行動しているという。では、どうすれば「地頭スイッチ」をONにできるのでしょうか。


その第一歩は、「問い(タスク)」と「目的」を明確にすることです。地頭は、この「問い」と「目的」を成立させる「理由」を考えようとするからです。例えば、「10社から受注する」という課題で、5社訪問して1社受注という実績なら、単純計算では50社訪問する必要がありますが、現実的ではないとします。


しかし、自社の得意分野に絞れば受注率を20%から50%に高められるとすれば、20社訪問で目標を達成できる可能性があります。どうすれば受注率を高められるのか考えるのが、地頭なのです。


著者でも、複雑な問題に取り組んでいるとき、ふと気づくと、目的からズレていることが多々あるという。だから、著者は問い(タスク)を受け取った瞬間、「この問いの目的は何だろう?」「そもそも、何を達成したいの?」と考えるというのです。


地頭は、問いと答えの間にある「理由」を考えようとします(p42)

地頭スイッチを入れる「モゲジョ」

この本では、地頭スイッチを入れて本質的な目的を達成するための方法として、「目的」「現状」「条件」の頭文字を取った「モゲジョ」を提唱しています。


例えば、イベントを企画するとしましょう。まず「目的(モ)」として、「このイベントで何を達成したいのか」を考えます。仮に、シャンプーのリピーターを増やすことが目的だとします。次に「現状(ゲ)」を確認します。調べてみると、「商品を使い切る前に使用をやめてしまう人」が多いことがわかったとしましょう。


「目的」と「現状」がわかれば、イベントで満たすべき「条件(ジョ)」が見えてきます。今回の例で言えば、「商品を使い切る体験をつくる」「リピート購入につながる導線をつくる」といった条件となります。


つまり、「何のためのイベントなのか」を明確にすることで、考えるべきポイントが変わってくるのです。本質的な目的を意識するほど、本質的な解決策が生まれる可能性も高まるのです。


モゲジョ・・・1その問いが目指している「目的(モ)」を確認する、2その目的に対し、「現状(ゲ)」がどうなっているかを整理する、3目的、現状を確認すると、この「条件(ジョ)」で考えるべきという判断軸が見える(p93)

本質的な目的とは「上位目的」

では、「本質的な目的」とは何なのでしょうか。それは、「全体最適」と「上位目的」です。


仕事でありがちな失敗は、目の前の数字だけを目的にしてしまい、その上にある本来の目的を見失うことです。例えば、広告によって集めた見込み客の10%が顧客になるというデータがあるとします。本来の目的は「顧客を増やすこと」です。


ところが、その目的を理解していない人は、「とにかく見込み客をたくさん集めよう」と考えてしまいます。商品に興味のある人を100人集めれば10人が顧客になってくれるとしても、商品に興味のない人を1000人集めて、5人しか顧客にならないこともありえるのです。


つまり、大切なのは「見込み客を増やすこと」ではなく、「顧客を増やすこと」。さらにその上には、「売上を増やす」「会社の経営を安定させる」といった目的があるわけです。上位の目的がわかれば、今やっている仕事の本当の意味が見えてくるのです。


そして著者が、会社にとっての最上位目的を、「ユーザー、株主、社員、社会といった全関係者がハッピーになること」と定義している点はさすがです。


上位目的に沿ったルールや測定可能なKPI(重要業績評価指標)を設計し、「仕事の管理」をするのが管理職の仕事です(p191)

成功事例を真似る方法

他社の成功事例を真似るときにも、「地頭スイッチ」が重要です。


例えば、「他社がインスタグラム広告で成果を出した」と聞いて、単純にインスタグラム広告を始めても、同じ結果が出るとは限りません。誰に向けて配信したのか。どんなメッセージだったのか。どんなオファーだったのか。そして、どのような導線で申し込みにつなげたのか。


成功の「表面」だけを真似るのではなく、その裏側にある「理由」を考えることが「地頭スイッチ」なのです。「何をやるか」よりも、「なぜ、それをやるのか」。目の前の作業や数字だけを見るのではなく、「そもそもの目的は何だったのか」と問い直す習慣を持ちたいと思いました。


木下さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・メンバーが「モゲジョ」ではなく・・上司・・を見ていると、仕事の本質からどんどん遠ざかっていきます・・・「どうすれば上司に認められるか」「どうすれば上司のOKが出るか」ばかり考えます(p107)

・重要なのは、無料サンプルを試してもらうことではなく、その先の「購入」につながることです・・・「10%が購入に至る」という仮説は、どんな人を集めるかで大きく変動します(p174)

・クリック率1%の広告をつくること・・・上上上位目的「・・売り上げを上げるために新商品を次々に出す自転車操業的経営から脱却し、安定した経営体質にするため」・・・上位目的「・・・売上を元に戻すため」(p179)

・「塾を探す」・・・表面的な目的は、「1 授業についていけるようになること・・→・・自信を取り戻すため→・・・チャレンジできる人になるため→・・・チャンスを逃さない人になるため→・・チャンスをつかんで幸せになるため(p219)


▼引用は、この本からです
「地頭スイッチ」木下 勝寿
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木下 勝寿 (著)、ダイヤモンド社


【私の評価】★★★★☆(85点)


目次


スイッチ0 地頭とは
スイッチ1 モゲジョの法則
スイッチ2 目的さかのぼりの法則
スイッチ3 逆算思考の法則


著者経歴


木下勝寿(きのした かつひさ)・・・株式会社北の達人コーポレーション(東証プライム上場)代表取締役社長。神戸生まれ。大学在学中に学生企業を経験し、卒業後は株式会社リクルートで勤務。2002年、eコマース企業「株式会社北の達人コーポレーション」設立。東証プライム上場を成し遂げ、一代で時価総額1000億円企業に。


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