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【書評】「なぜ「言わない」ほうが伝わるのか? 「引き算」と「余白」の会話術」 松永俊彦

2026/08/21公開 更新
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「なぜ「言わない」ほうが伝わるのか?  「引き算」と「余白」の会話術」 松永俊彦


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー


一番伝えたい話だけに絞る

プレゼンテーションのプロが、「伝わる話し方」のコツを教えてくれる一冊です。


プレゼンで大切なのは、「一番伝えたいこと」に絞ることです。著者は「10」の準備をしても、実際に話すのは「3」くらいに絞っているという。なぜなら、情報量が多すぎると、相手の脳は処理しきれなくなり、「情報を受け取れない状態」になってしまうからです。


さらに、何から何まで説明されると、聞き手は「自分で考える必要がない」と判断し、受け身になってしまう場合もあるというのです。「何を話すか」と同じくらい、「何を話さないか」が重要なのです。


聞き手の脳に最も残りやすいのは、1つの明確なメッセージです(p131)

余裕と「間」が重要

次にプレゼンで重要なのが、余裕と「間」です。


プレゼンを聞いている人は、話し手が登壇した最初の1、2秒の雰囲気だけで、余裕があるのか、余裕がないのかを感じ取ってしまうという。そこで著者は、プレゼンの最初に、あえてゆっくりと資料を手に取り、笑顔で会場全体を見渡してから話し始めるようにしています。


また、プレゼンの途中でも、聞き手に「考えさせる間」をつくります。例えば、提案を伝えたあと、あえて少し沈黙するのです。


研修の締めくくりでも、「今日ご自身がやってみようと計画したことは、ぜひ行動してみてください。そして、あなたの未来を良い方向に変えてください」と伝えたあと、すぐに次の言葉を続けず、余裕を持って受講者を見渡すという。


「間」は相手に考えてもらいながら、こちらの余裕を伝える大切な時間なのです。


答える前に3秒の間をおいて・・「すぐに答えるのが優秀」ではなく、「整理してから答えるほうが賢明」(p61)

質問で相手の興味を確認する

プレゼンでは質問によって相手に考えてもらう技法がありますが、商談や営業では、質問によって相手の興味を探ることが重要になります。なぜなら、商談や営業では、お客様が「何を知りたがっているのか」「何に不安を感じているのか」を知ることが大切だからです。


そして、その鍵になるのが、「相手の言葉を拾う」ことです。著者は、最初に話の方向性を伝え、短い質問をしながら相手の興味を確認していくという。実際、著者自身も若いころ、「話しすぎだよ。話すのは半分でいいから、もっと相手に質問をして、相手の話を引き出してごらん」とアドバイスされたというのです。


営業では「うまく説明すること」に意識が向きがちですが、大切なのは、まず相手に話してもらうことなのです。


質問は、会話の流れをデザインする地図のような役割を持ちます(p80)

「伝え方」は練習で磨く

では、「引き算」や「間」を意識すれば、すぐにプレゼンがうまくなるのでしょうか。最後は練習するしかないようです。


著者は「話の内容はいいけど、声が単調で抑揚がないね」と何度もフィードバックを受けてきました。そこで著者が行ったトレーニングは、話の緩急がはっきりしている人の動画を見て、その人と「全く同じセリフを、全く同じように緩急をつけて」1分ほど話し、それを動画に撮影するというものです。


動画で見れば、問題点が見えてきます。うまい人を真似して、自分の話し方を客観的に確認しながら、リハーサルを繰り返す。結局、それがプレゼン上達の王道なのでしょう。松永さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・余分な情報を排除し、相手に理解した感覚を与えること(p9)


・10秒で話せ・・・「結論→理由→補足」という順番こそが、伝える力を飛躍的に高める「黄金パターン」(p113)


・曖昧さが「自分ごと化」を生む・・・「最近、決断に迷うことがありませんか?」「自信を持っているように見えますが、実際には非常に慎重な方ですね」(p24)


・好かれる人は「どれだけ話すか」ではなく、「どれだけ余白を持って相手の話に耳を傾けるか」で印象を作っている(p164)


▼引用は、この本からです
「なぜ「言わない」ほうが伝わるのか?  「引き算」と「余白」の会話術」 松永俊彦
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松永俊彦 (著)、ぱる出版


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次


第1章 なぜ人は話しすぎると損をするのか?
第2章 「沈黙」こそが説得力を生む
第3章 「言わない」のに伝わるテクニック
第4章 「短く言う」だけで影響力が増す
第5章 仕事・プレゼンで生きる「引き算の会話術」
第6章 人間関係を良くする「余白の会話術」


著者経歴


松永俊彦(まつなが としひこ)・・・プレゼンテーショントレーナー、研修講師、ビジネス数学インストラクター、株式会社Logiemo代表取締役。1983年生まれ。大学卒業後は、塾教師として教壇に立つ。その後、外資系企業セールスマネージャー、東証一部上場企業コンサルタントを経て、2018年に研修講師としての活動を開始。現在は研修講師として年間約150日登壇。主にビジネスパーソンの考える力、伝える力の向上に貢献している。受講者アンケート年間平均4.7/5点、リピート受講率91%といった数値からも、満足度の高さが伺える。ビジネスプランコンテストやスタートアップピッチの指導、教職員向け研修、研修講師の育成も行う。


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