【書評】「話のうまい人は頭のなかで「見えない図」を描いている」 高野 雄一
2026/07/07公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
頭のなかに図を描く
著者は社会人3年目のとき、自分の意見を言えない、営業なのに会話が苦手というどん底にいました。そんなとき先輩から図解を教えてもらい、頭の中に図を描くようにしたところ、会話が楽しくなり、話がうまくなったというのです。
頭の中に図を描くと、自分だけの視点で話すのではなく、相手の状態を見ながら話の流れを客観的に把握できるようになりました。
図解に感動した著者は、図解を「ダイアグラム思考」として整理し、2024年には「図解の会社」株式会社Metagramを設立しています。大前研一氏がコンサル会社でフレームワークのメモを書籍として出版したように、図解に感動した著者が図解の会社を作ってしまったというわけです。
頭のなかに見えない図を描いている人は、話を自分視点だけで見ていません。相手の「状態」を同時に見ています・・自然と相手の視点で考えられるようになります(p51)
プロセス図で並べる
この本では話の構造として、3つ紹介しています。「プロセス図で並べる」「2軸図で分類する」「ベン図で重ねる」という3つです。
1つ目のプロセス図は、物事を時間や手順の流れを描きます。事例としては、リンカーンのゲティスバーグ演説が「過去を示す→現在を示す→未来を示す」というプロセス図として整理できると説明しています。
別の事例では、会話がうまい人は「起点→共感→展開→オチ」というオチのある流れで会話を考えているからこそ、話が盛り上がるという説明も説得力があります。
話す順番を意識するだけで、伝わり方は大きく変わります。その場に合ったプロセス図を頭の中に描くことが、話し上手になる第一歩なのでしょう。
会話がうまい人は、会話を線で捉えられるから流れが見えています。「起点→共感→展開→オチ」(p119)
2軸で分類する事例
2つ目の2軸図は、物事を2つの軸で分類して整理する方法です。
事例としては、何を話せばよいかわからないときは「相手にとっての重要度」と「自分との関係の深さ」を2軸にして考えます。まず左下のエリア(最近の話、相手の話)からスタートし、徐々に右上に広げていくと、自然な雑談ができるようになるといいます。
仕事の優先順位付けにも使えます。「自分にしかできない×納期が決まっていない」仕事は必ず受ける、「自分にしかできない×納期が決まっている」仕事は余裕があるときだけ受ける、「誰でもできる」仕事は基本的に受けない。
このように2軸で整理するだけで、判断の迷いがなくなります。断れない人は優しすぎるのでも意思が弱いのでもなく、判断の軸を持っていないだけだと著者は実感したわけです。
雑談で何を話せばいいかわからないとき・・・左下のエリア(最近の話、相手の話)からスタートし、徐々に右上に広げていく(p79)
図解とはフレームワーク
3つ目のベン図は、複数の要素の「重なり」を可視化するものです。
ベン図の事例としては、「なんでもいい」という相手の言葉は、本当になんでもよいわけではありません。話がうまい人は相手の興味の環を引き出し、自分の興味の環と重なる部分を探しながら会話を進めているという。
本書を読んで、図解とはコンサルタントが多用するフレームワークそのものだと感じました。頭の中で複雑なことを単純に整理するための道具として、図解は最強なのです。
高野さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・断れない人は、優しすぎるわけでも、意思が弱いわけでもありません。判断の軸を持っていないだけなのです(p109)
・ヒアリングは「サンドイッチ質問」で攻める・・・なぜ?・・具体的には?・・なぜ?・・具体的には?(p136)
・相手を説得したい・・「相手を知ること」・・・人間が納得するときは・・・1数字・・2事例・・3権威(p195)
▼引用は、この本からです

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高野 雄一 (著)、KADOKAWA
【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第1章 わかりやすい話には必ず構造がある
第2章 「比べる」話は2軸図を描く
第3章 「並べる」話はプロセス図を描く
第4章 「重ねる」はベン図を描く
第5章 「見えない図」のトレーニング
著者経歴
高野 雄一(たかの ゆういち)・・・1989年栃木県生まれ、2024年に「図解の会社」株式会社Metagramを設立。誰でも図解ができるように体系化した思考法「ダイアグラム思考」を創案し、企業向け「ダイアグラム思考研修プログラム」の延べ参加者数は1.2万人を突破する。
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