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【書評】「ナオキマンのヤバい人類支配の秘密」Naokiman Show

2026/05/02公開 更新
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「ナオキマンのヤバい人類支配の秘密」Naokiman Show


【私の評価】★☆☆☆☆(55点)


要約と感想レビュー


秘密ではなく噂話

YouTubeで数百万人の登録者を持つナオキマン氏による一冊です。「人類支配の秘密」というタイトルですが、内容は新型コロナウイルスをめぐる未確認情報や、いわゆる「ディープステート」の陰謀論などでした。


本書ではディープステートを、国際金融資本家・軍事複合体・グローバリストなど、世界を動かす資金と権力を持つトップエリートたちで構成される支配組織と定義しています。


しかしこの定義を支える具体的な根拠や情報源の引用は示されておらず、「そういう話がある」という伝聞の域を出ていません。噂話をそのまま本にしたような印象で、正直なところがっかりしました。


2020年12月の調査で、約39%のアメリカ国民が「ディープステートがトランプを大統領の座から引きずり下ろそうとしている」という陰謀論を信じているという(p51)

事実と推測は分けるべき

本書の問題は、確認可能な事実と根拠のない陰謀論が同じトーンで並列されている点にあります。


たとえば新型コロナウイルスの初期対応については、中国側がWHOの調査団をなかなか受け入れず、調査開始が2021年1月末になったというのは事実です。


また、重症化に関わる遺伝子がヨーロッパや南アジアの人々に多く受け継がれているのに対し、東アジアの人々には予防遺伝子のみが受け継がれているという研究への言及もあります。こうした部分は考慮に値する情報です。


一方で、「何らかの意図があるとする陰謀論も出ています」という記述が随所に出てきます。事実の紹介と陰謀論が「出ている」という説明が混在しており、読者が事実と推測を区別しにくい構成になっているのです


YouTubeでは人気のようですが、せめて事実と推測を分けて、情報の引用先など提供していただきたいものです。


中国の初動に対しては、自粛に頼るしかない日本とは違い、ウイルス発生がわかった時点でもっと厳格な行動制限、移動禁止措置を発動して、感染拡大を防げたのでは?という疑問の声も多くあり、何らかの意図があるとする陰謀論も出ています(p35)

歴史的な事例は興味深いが


本書のなかで比較的読む価値があると感じたのが、歴史的な事例の紹介です。


ベトナム戦争の開戦の契機となったトンキン湾事件に誇張と虚偽があったことが後に明らかになったという事実、第二次世界大戦中の日本でメディアが政府・軍部の統制下に置かれ、新聞用紙の供給制限や記者の軍への徴発によって報道が歪められたという歴史は、よく知られている事実です。


自殺報道が繰り返されることで人々の自殺衝動が高まる効果についての記述も、実際の研究に基づく信頼できる内容として読めます。


また、性的スキャンダルで逮捕されたジェフリー・エプスタインの事件についても触れられています。エプスタインの背景には何があるのか私も興味がありますが、この本ではその本質を追求するつもりはないようです。


ジェフリー・エプスタイン・・・2001年頃から所有する別荘に10代の少女を招き、報酬を支払った上で性的行為に及んでいたのです・・・顧客には超有名人や政治家が含まれていた(p92)

情報源を明示すべき

本書に対する最大の不満は、情報源が示されていないことです。「それっぽい話」を積み重ねることで全体的な印象をつくるという手法は、典型的なプロパガンダです。YouTubeというプラットフォームではその曖昧さが魅力になることもありますが、書籍という媒体においては情報源の明示は最低限の責任ではないでしょうか。


政府・メディア・権力構造の情報は、社会にとって重要であり、真剣に情報収集と分析するべき対象です。そのために根拠のある情報と検証可能な事実に基づいた議論が不可欠です。陰謀論的な語り口は信頼性を損ない、問題の本質から離れていってしまいます。


本書はその意味で、大切なテーマを扱いながら価値のない一冊という評価となりました。ナオキマンさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・フランス革命の本当の意味・・・王に代わって権力を得たブルジョワジーは、一般庶民ではなく、商工業、金融業のトップ層のことなんです(p43)


・トランプの熱狂的な支持者である「Qアノン」・・・ディープステートの息のかかったメディアが2期目の大統領選でもトランプに不利なニュースばかり流している・・バイデンの息子、ハンター・バイデンのスキャンダルがほとんど報道されない(p49)


・自殺報道が繰り返されると、人々がネガティブな感情を持ち、自殺衝動に駆られやすくなることがわかっています(p78)


▼引用は、この本からです
「ナオキマンのヤバい人類支配の秘密」Naokiman Show
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田島 ヒロミ (著)、すばる舎


【私の評価】★☆☆☆☆(55点)


目次


Introduction ヤバい人類支配の秘密とは?
Prologue パンデミックはヤバい世界の禁断の扉?
1 パンデミックをめぐるヤバい秘密
2 人心を掌握する世界のヤバい黒幕
3 人心を管理するためのヤバい技術
4 人心がつくり出すヤバい集団心理
5 人心に影響を与えるヤバい人物
6 人心を左右するヤバい予言
Epilogue 毎日正解が変わる世界をどう生きる?


著者経歴


Naokiman Show(なおきまん しょう)・・・都市伝説、ミステリー、陰謀論、スピリチュアルなど、解き明かされていない謎をテーマに配信する、大人気YouTuber。クオリティの高い動画と、わかりやすい語り口で、チャンネル登録者は150万人を超える


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