「パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法」柿内尚文
2022/12/24公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
出版社で書籍を企画している編集者が教える「考える技術」です。出版社では「売れる本を作る」ことを考えることになります。例えば、この本のタイトルでは「パン屋でおにぎり」という意外性が人の興味を引くように設計されています。「フレンチのシェフがつくるカレー」とか「焼き鳥屋さんの人気ラーメン」といった意外性がヒットを作るのです。
では、どのようにして、こうした興味を引くアイデアを作り出すのでしょうか。それは「準備」→「広げる」→「深める」だという。
まず、「準備」はインプットすることです。著者の場合は、同じテーマの本を5冊ほど読み、ネット情報を10本ほど集めるという。さらに目的を明確化させます。上司から言われたのなら、上司にゴールを聞くとよいのでしょう。
・上司から難しい課題を頼まれました・・・考える前に「目的の確認」「取材・調査・インプット」をする(p64)
この本ではアイデアを広める方法を6つ紹介していますが、ここでは三つ紹介しましょう。まず、「かけあわせ法」です。アイデアとは既存のものの組み合わせと言われるように、機械的に物事を組み合わせていきます。例えば、うんこ×漢字ドリルの組み合わせで「うんこ漢字ドリル」という大ヒット商品があるという。
二つ目は「連想法」です。紙の中央にテーマを書いて、その周囲に気付いたこと、イメージされたことを書き込んでいく。マインドマップのようなものでしょうか。三つ目は「ずらす法」です。詳細はこの本を買って読んでみてください。
・かけあわせ法・・・奇跡の出会いを求め、とにかく数、数、数!(p114)
この本を読んでいくと、おにぎりの具を調べる方法は?ナンパせずに女性と話す方法は?などの質問が読者に問いかけられます。読者を引き付ける「つかみ」が、よく考えられているのです。アイデアを出す本に、アイデアが満載なのですから説得力があるわけです。
会社で新規事業のアイデアを募集する!という企画があったときにぴったりの一冊ではないでしょうか。この本のやり方で、著者が「奇跡の出会い」と表現するものに出会えるような気がしてきました。柿内さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・失敗・・後悔で終わらせるのではなく、必ず「反省会」をすること(p83)
・「一人反省会」では、ノートを使って・・今後失敗しないためにどうしたらいいかを考える(p84)
・習慣化の強敵1 忘れる・・・妻はトイレの中や外に「トイレのでんき消す」というメモを貼りつけています(p51)
【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
第1章 「考える」について最初に知っておいてほしい3つのこと
第2章 「考える技術」で未来は変えられる
第3章 「考える技術」を思い通りに使いこなす
考えを広げる方法1/6 「かけあわせ法」
考えを広げる方法2/6 「数珠つなぎ連想法」
考えを広げる方法3/6 「ずらす法」
考えを広げる方法4/6 「脱2択」
考えを広げる方法5/6 「まとめる法」
考えを広げる方法6/6 「あったらいいな」
考えを深める方法1/6 「360度分解法」
考えを深める方法2/6 「ポジティブ価値化」
考えを深める方法3/6 「自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト」
考えを深める方法3/6 「すごろく法」
考えを深める方法5/6 「正体探し」
考えを深める方法6/6 「キャッチコピー法」
第4章 頭の中をクリアにする「思考ノート」のつくり方
第5章 考える技術がさらに上がる習慣
著者経歴
柿内尚文(かきうち たかふみ)・・・編集者。1968年生まれ。東京都出身。聖光学院高等学校、慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。その後、ぶんか社、アスキーを経て現在、株式会社アスコム取締役編集局長。長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本の累計発行部数は1000万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。特に実用書のジャンルで数々のヒットを飛ばしている。
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