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「超ファシリテーション力」平石 直之

2022/08/12公開 更新
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「超ファシリテーション力」平石 直之


【私の評価】★★★☆☆(76点)


要約と感想レビュー

 読書会を主催するうえで、司会として注意することは何だろうと、手にした一冊です。読書会ではいろいろな人が集まってきますので、事前に議論のルールを周知しておくことが有効です。


 会議でも読書会でもいろいろな人の意見を聞くことが目的ですから、違う意見に対して否定しないことが大事なのでしょう。この本でも紛糾しそうなテーマのときは、事前に「意見をきちんと聞きましょう」とか「個人攻撃はしないでください」と釘を指しておくということです。


・「今日は紛糾しそうだな」 ・・「意見はあくまで意見です。意見が違うからといって個人攻撃は控えてください」・・・参加者たちにとっての安心感にもつながります(p128)


 司会として苦労しているのは、序盤に参加者から自然に意見を引き出すことです。だれでも最初は知らない人の中で、自分の意見を話すのは緊張するものです。そうした状況で話しやすい環境を作るのも司会の役割なのです。


 著者の場合は、呼び水として第三者の意見を司会として紹介することがあるようです。例えば、「インターネットではこんな意見がありました」とか「こんなツイートがバスっています」などと紹介するのです。また、会議の冒頭で「今日は一人ずつ、ご意見をうかがう」旨を説明して、発言の準備を促すこともしているという。


・不意打ちは禁止。それぞれに必ず意見を求めることをあらかじめ伝えておき、"全員参加感"を出す(p106)


 司会者としては、活発な議論に導くのか、時間内に議題を決定することを優先するのか、「目的」を明確にして誘導していくことになるのだと思いました。議論が喧嘩になりそうなら司会が引き取り、テーマから外れそうになったら引き戻し、要領をえない主張には助け船を出し、着地点が見えないなら議論をまとめていくのです。


 全員参加を前提として発言を促しつつ、時間内に議論をまとめていくのは簡単なようで難しい。答えのない世界かもしれません。自分の意見を持ちながらも司会者として相手の意見を聞くという、高い視点が必要だと思いました。平石さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・準備・・出演者の本や記事を読み、ユーチューブやSNSをチェックして、最近の活動やおもな主張、人となりや話し方の特徴などをつかんでいきます(p7)


・「これは重要なテーマですから、ほかのみなさんのご意見も聞いてみましょうか」・・・輪の中に新しいメンバーを招き入れてあげるのです(p41)


・反復、要約、同調。"伝わっている"ことを伝えましょう(p42)


・言い換えていく・・・「それは政策としては最悪だ!」・・・〇〇さんのご意見としては、その政策はあまりよろしくないということですが、それはどうしてでしょうか?(p66)


・発言者の話が長すぎるとき・・・「え~、いや~、本当に~、そうですよねえ~」と・・そろそろ幕引きが迫っている雰囲気を醸し出す(p121)


▼引用は、この本からです
「超ファシリテーション力」平石 直之
2平石 直之、アスコム


【私の評価】★★★☆☆(76点)


目次

第1章 ファシリテーターの心得
第2章 話し合いを円滑に進めるコツ
第3章 ファシリテーションは準備が9割
第4章 即使える!キラーフレーズ集



著者経歴

 平石直之(ひらいし なおゆき)・・・テレビ朝日アナウンサー。「ABEMA Prime」の進行を担当。1974年、大阪府松原市生まれ。佐賀県鹿島市育ち。早稲田大学政治経済学部を卒業後、テレビ朝日に入社。報道・情報番組を中心に、「地球まるごとTV」「やじうまテレビ! 」などでMCを務め、「ニュースステーション」「スーパーJチャンネル」「サンデー・フロントライン」「報道ステーション」などでは、キャスターを務める。2004年6月から1年間、ニューヨーク支局に勤務。2019年から「ABEMA Prime」の進行を担当。


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