「家族と話し合いをしてますか?」斉田英子
2022/01/12公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
夫婦での話し合いをお勧めする一冊です。夫婦の話し合いなんて、いつもやっていると思う人がいると思いますが、夫婦ゲンカの原因は話し合い不足です。夫婦はそれぞれ違う家庭で育った他人ですから、お互いの価値観や習慣について思い込みがあると、すぐに衝突することになります。
特に親しきがゆえに、相手の話をあまり聞かないという人もいるのではないでしょうか。特に女性は、自分の話を聞いて欲しいとい欲求が強いということを夫は知るべきなのです。さらに現代社会は平均寿命が80歳を超えていますので、夫婦での意思疎通が悪いと、最後の最後になってこんなはずではなかったという人生になってしまうかもしれません。そうならないためにも、早めに話し合いをしておいたほうがよいと思うのです。
・一番身近なパートナーや家族にその分かり合えない感覚をもつのはとても辛いことです(p23)
特に最近は専業主婦よりも共働きの家族が増えてきていますので、お互い同じ働く者として対等にどう生きていくのか、どうお金を使っていくのか、どう子どもを育てていくのか、夫婦で話し合ってみてはどうでしょうか。
話し合ってみると、一方は子どもの教育は放任で、一方は厳しく管理したほうがよいと考えているかもしれません。一方は定年後を見据えて貯蓄を増やしたいと考えていて、一方は人生を楽しむため今できることをやっていきたいと考えているかもしれないのです。こうした重くて真面目な話題をあえて夫婦で話し合ってみる機会を持って見ましょうというのが、本書のお勧めなのです。
・子どもの教育方針は?・・・具体的な考えを出し合っていくと、それぞれの違いが見えてきます(p84)
家族でテレビを見ながら雑談することもできますが、あえて時間を取って、人生について話し合うもの大事ではないかと思いました。
例えば、エクセルに年別に表を作って、家族の年齢と家計収入・支出、将来のイベント、などを書き込んで、ありたい未来計画を立ててみるのもよいでしょう。そうすると現状への認識を合わせることができ、今やっていることを修正する必要があるのかないのか、感情抜きで合意できると思うのです。
夫婦の話し合いのきっかけになる一冊でした。家計簿をつけていない、ライフチャートを作っていないという方はぜひ、読んでみていただきたいと思います。斉田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・スケジュール調整をして、二人の空いている時間帯に、話し合いの時間をセッティングする(p29)
・もやもやの原因と思われること一つひとつを思いつくまま文字にしてください(p34)
・「10年後の私たち」と題してワークショップをしました(p70)
・家族でいろいろな顔を見せ合いましょう・・・いろいろな感情を素直に表現してもいいと安心できる場づくりに努めましょう(p115)
【私の評価】★★★☆☆(75点)
目次
1章 家族と仕事の新しい関係
2章 共働き夫婦の歩調を合わせる―マナーとスキル
3章 キャリアについて話し合う
4章 子どもについて話し合う
5章 健康、命について話し合う
6章 子どもたちにファミリー民主主義について伝えよう
著者経歴
斉田英子(さいた えいこ)・・・1974年、長崎市生まれ。中央大学法学部兼任講師。2018年、夫婦で起業した㈱ヒンメル・コンサルティングでは、大学生やビジネスパーソンに向けコーチング、コンサルティングを実施。 2002年、博士号取得後、デンマーク政府奨学金等を受けコペンハーゲン大学にて客員研究員。2005年~2016年、熊本県立大学環境共生学部准教授。三男児の母。子どもたちが乳幼児期の約6年間、夫婦のキャリアの都合で、熊本と東京をほぼ毎週末、往復する生活を送る。キャリアのセカンドステージは家族の最大幸福の追求とともにあると確信し、二拠点生活を解消、大学を退職し東京へ移動。東京大学、明治学院大学にて研究員を経て現職。デンマークに関する論文や書籍多数。
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