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「マグロ大王 木村清 ダメだと思った時が夜明け前」木村 清

本のソムリエ 2022/01/06メルマガ登録
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「マグロ大王 木村清 ダメだと思った時が夜明け前」木村 清


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

 正月の初競りで1億5千万円でマグロを落札したことで有名になった寿司チェーン「すしざんまい」の社長である木村清さんの半生を教えてくれる一冊です。木村さんが築地で24時間年中無休の「すしざんまい」をはじめたのはたった20年前。それまで木村社長は魚の切り身を卸したり、温かい弁当店や居酒屋を経営し、コンテナカラオケを開発したり、ビデオのレンタルショップを立ち上げたりと、幅広く事業を運営していました。


 ところが20年前、破綻した北海道拓殖銀行による貸し剥がしで無一文になってしまうのです。それも、木村社長の奥様に手形の書き換えで判子を押して欲しいと判子を押させて、その書類に「借金の一括返金」と小さい字で書いてあったというのです。まるで「半沢直樹」の父を追い込んだ大和田です。失意の中で木村社長は事業を清算し、最後に残った300万円を元手に、築地に寿司屋を始めることになりました。こうしたドン底の中から「すしざんまい」は、生まれたのです。タイトルのとおり、ダメだと思った時が夜明け前だったのです。


・銀行は突如、女房を偽って一括返済の書類にサインさせたのです(p113)


 「すしざんまい」は24時間年中無休ですが、交代勤務のシフトは木村社長の自衛隊時代に学んだ仕組みを役立てているというのも面白いと感じました。自衛隊方式で24時間にしてみたものの、最初は深夜にお客がまったく来ないので、困った木村社長は銀座のママに頼み込んでアフターで来店してもらって口コミで客を増やしたという武勇伝も木村社長らしい。


 そうしたアイデアマンの木村社長ですが、アイデアマンであるがゆえに付いていけない社員が出てくるのは当然でしょう。開店二ヶ月半で職人の4,5人が退職し、木村社長自身が店で働くことさえあったのです。そうした状況を乗り越えて、現在の57店があるのです。店舗数が増えてきた現在も、人材がいなければ新しい店は出さないという考え方で、自然増を基本としているようです。いくら「すしざんまい」でも、単に店舗を増やしても利益は出ないのです。


・新たな出店というのは、人材が育たなければ絶対にやってはいけないと信じています(p140)


 木村社長のアイデアはすべてお客様が喜ぶことは何か、から出ているように感じました。実際、木村社長は「額に汗して人のお役に立つこと。それが、人間にとって「生きている意味」」と言っています。確かに人のためになれば、それが売上として儲かるわけで、お客様に喜んでもらう、お役に立つというのが商売の本質なのでしょう。


 最近は、「肉ざんまい」という店も店舗を増やしているようです。アイデアマンらしい木村社長の挑戦は続くのです。木村さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・産卵を終えたマグロを「備蓄」し、いつでも出荷できるように生簀(いけす)で回遊させて元気に飼育する態勢をつくっています(p27)


・「24時間年中無休。明朗会計」の「すしざんまい」・・・カラーを「ピンク」にしました(p26)


・お客様に提供するマグロは・・・「98点以上」のものだけです・・・「ちょっと落ちるな」と感じたら、焼き魚にします。それよりも落ちるなら、煮魚ですね(p44)


・サーモンなら、一キロ育てるためにエサは2~3キロ程度といわれています(p164)


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▼引用は、この本からです
「マグロ大王 木村清 ダメだと思った時が夜明け前」木村 清
木村 清 、講談社


【私の評価】★★★★★(90点)


目次

第一章「人は涙を流すほど悔しい状況に追い詰められた時こそ、底力を発揮するのです」
第二章「壁は、先に進めるという予兆なんです」
第三章「ピンチは、常に新しいチャンスなのです」
第四章「三日で店ができなきゃ、商売じゃない」
第五章「試してもみないで、無理だと言うな!」
第六章「人材は夢とロマンが育てる」
第七章「すしざんまいの味から日本の味へ、日本の味から世界の味へ」



著者紹介

 木村清(きむら きよし)・・・株式会社喜代村代表取締役社長。1952年、千葉県東葛飾郡関宿町木間ヶ瀬(現・野田市)に生まれる。1968年、中学卒業後、F-104のパイロットに憧れ、一五歳で航空自衛隊に入隊。一八歳で大検に合格し、航空操縦学生になる資格を得るも、交通事故で目を負傷しパイロットの夢を断念、1974年に退官。司法試験をめざし、中央大学法学部(通信教育課程)に入学。百科事典セールスのアルバイトなどを経て、1974年、在学中に大洋漁業(現・マルハニチロホールディングス)の子会社である新洋商事にて勤務。1985年、喜代村設立。2001年4月、築地市場外に日本初の年中無休24時間営業の寿司店「すしざんまい本店」を開店


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