「ぼくたちに、もう社員は必要ない。ひとり社長のビジネス拡大戦略」相馬一進
2021/05/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
要約と感想レビュー
プロジェクト毎にチームを作る
著者はひとり社長として、コンサルティングやセミナーを開催して、年商1億円だという。ひとり社長で年商1億円を達成できるのは業務をフリーランスに委託してチームを作り、リモートワークで仕事を回しているからです。
コンサルティングやセミナーは売り上げが不安定なため、従業員を雇って固定費を増やしていくことはリスクが高いと著者は考えました。プロジェクト毎にチームを作る形にすれば、固定費がほぼゼロとなり、いつ解散しても問題ない組織となります。
そこで著者はひとり社長のままで、自分に適性がなく興味がわかない仕事をフリーランスに外部委託していくスタイルを工夫していったのです。
フローに入れない仕事は、「いずれ誰かに任せる仕事だ」と覚えておくのです・・・いずれ手放せると思うと、少し気が楽になりますよね(p45)
意思決定権をメンバーに与える
驚くのは、チームメンバーが自分の報酬を自分で決めることができることです。また、メンバーの分担事項については、関係者の助言をもらう前提でメンバーが決定権を持っていることです。
もちろん決定権を持っている前提としてプロジェクトに関わる情報はすべてオープンになっているし、全員の報酬もオープンなのだという。つまりメンバーは自分の報酬を含めて情報から決定権まで全て持っているので、主体的に仕事をしてくれるのです。
意思決定権をチームメンバーに与えるとはいっても、メンバーの提案者は、その意思決定によって影響がありそうな人全員から助言をもらいます。通常の意思決定であれば、余裕として3営業日以内に助言するようにしているという。
チームメンバー全員が、自分の報酬を自分で決められるようにしています(p66)
価値観に合う人を採用する
印象的だったのは、著者が自分の価値観に合う人の採用に注力しているということです。能力があるよりも、価値観が合う人のほうがチームが活性化し、仕事が進むのです。ところが、そうした人を採用することが難しい。そのため著者は採用メディアを使わず、自分で直接採用をしているという。ブログなどで自分の仕事の価値観を書き続け、それに共感した人を採用するようにしているのです。
そして、採用面接では、ワークサンプルテストとIQテストとすべての候補者に、全く同じ質問をする面接をしているという。どこまでも合理的なのです。
アメリカ人のひとり社長の勧めといった本を読んだことがありましたが、日本でもフリーランスが活躍する環境が追いついてきたということでしょうか。相馬さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「どのメンバーがどれくらいの報酬を得ているのか」を全メンバーに公表していることです(p85)
・できる限り多くのメンバーがエンドユーザーに会える状況を作っておくと良い(p150)
・フィードバック文化を浸透させる・・・「あなたの営業の仕方には改善の余地があります。最初にもっとお客さんと信頼関係を築いたほうがいいですよ」(p152)
【私の評価】★★★★☆(83点)
目次
第1章 1人ビジネスで行くか? 社員を抱えるか? それが問題だ!
第2章 グラデーション組織では社員はいない! あるのはチームのみ!
第3章 1人ビジネス卒業のかなめ! グラデーション組織の作り方
第4章 実例紹介! グラデーション組織の運営の仕方
第5章 チームは善意でできている! チーム運営の考え方
著者経歴
相馬 一進 (そうま かずゆき)・・・起業支援コンサルタント、教育事業家。大学卒業後、百貨店で集客に携わる。独立して起業するが、11業種で失敗。「起業成功のカギは集客にある」と悟り、企業の集客支援を始める。1億円超の売上を達成。現在はマーケティングや心理学をベースにしたコンサルティングやセミナーを開催している。
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