【書評】「Wait, What?ハーバード発、成功を導く「5つの質問」」ジェイムズ E ライアン
2021/03/30公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
人生で大切な5つの質問とは
ハーバード大学教育大学院卒業式で、大学院長のスピーチが書籍になったものです。140ページの本になるくらいの内容をスピーチするとは、話が長いな~。
大学院長になって1年目のスピーチは「何かを恐れて時間を無駄にすべきではない」ということを話し、2年目のスピーチでは「不作為の罪」についてスピーチしたという。
そして本書の3年目のスピーチとして「人生をうまく生きていくうえで大切な5つの質問」について実例を紹介しながらまとめています。
「待って、何それ?」は、理解の根っこ。「どうして~なんだろう?」は、好奇心、探究心の源だ。「少なくとも~はできるんじゃないか?」は、前進するための一歩。「何かできることはある?」は、良い関係を築く足がかりになる。「何が本当に大事?」は、あなた自身の根幹に目を向けさせる(p141)
何かできることはあるか
面白いところは、良い人間関係を築くコツは、相手からの相談に対し、答えを返すのではなくただ聞いてあげることと断言していることです。ただ聞いてあげて、「何かできることはあるか」と問いかけるだけでよいという。
欧米では答えを教えてあげそうですが、本当は質問した人は答えをしっていて、ただ聞いてもらいたいことも多いということなのでしょう。それだけで人間関係がだいぶ改善されるということに全面的に同意します。
アドバイスを与えるのではなく、黙って辛抱強く話に耳を傾け、何かできることはあるかと問いかけてあげたなら、流れはきっと変わってくる・・・誰かに話を聞いてもらって、ちょっと慰めてもらえばそれでいい。それだけでいい(p104)
質問によって考えるべき課題を探し出す
ハーバードでも世の中をうまく渡っていくためのコツは変わらないのだな、と思いました。
その一方で、「質問によって考えるべき課題を探し出すことが大事だ」というところを読むと、好奇心と挑戦心は日本人より強いように感じました。
何が自分の人生にとって大切なのか、この人生で取り組むべき重要な課題は何なのか考えているところが素晴らしいのです。ライアンさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・わたしは大学院長に就任したとき、・・・自分はどんな答えも知っていなければならないと思っていた・・・疲れてきた。だから質問するようになった・・・「それはいい質問だね。きみはどう思う?」(p18)
・ジョナス・ソーク・・・ポリオワクチンを開発した彼はこう述べている。"世紀の瞬間とは実は新発見の瞬間ではなく、疑問を発見した瞬間である"疑問に行き着くまでには長い時間がかかるが、それは価値ある時間だ(p21)
・立ち止まって振り返ってみてほしい。フェアな結論を出すのに必要な事実を、自分はすべて知っているだろうかと。事実ではなく思い込みに基づいて反応するのは簡単だ。簡単すぎる。「待って、何それ?」を思い出せば、結論に飛びつくのを防ぐことができる(p42)
・「どうして?」・・・世界的科学者や芸術家ではない一般人でも、謎に気づくことはできる・・・ただ周囲を見回して、問えばいい(p49)
・何かをすればミスを犯す可能性はある。口を開けば間違ったことを言ってしまうかもしれない。それでも、傍観者でいるよりは全力で挑んで失敗したほうがずっといい。テディ・ルーズベルトもそう言っている。失敗したところで笑い話がひとつ増えるだけだ(p89)
▼引用は、この本からです
ジェイムズ E ライアン、ハーパーコリンズ・ ジャパン
【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
はじめに なぜ人は問うのか?
Chapter1 Wait,What?待って、何それ?
Chapter2 I Wonder・・?どうして~なんだろう?
Chapter3 Couldn't We at Least・・?少なくとも~はできるんじゃないか?
Chapter4 How Can I Help You?何かできることはある?
Chapter5 What Truly Matters?何が本当に大事?
おわりに 究極の問い
著者経歴
ジェイムズ・E・ライアン(James E. Ryan)・・・第11代ハーバード大学教育大学院長。法律と教育の専門家。エール大学卒業後、バージニア大学ロースクールで学び、弁護士として活躍。バージニア大学ロースクールでマセソン・アンド・モーゲンソウ特別教授を務めた。
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