「世界一速い問題解決」寺下 薫
2020/01/07公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
ヤフーの問題解決法
著者はヤフー、ソフトバンクで問題解決養成塾「SV研究会」を主宰しています。この本の内容が、ヤフーの管理職1000人に教えている問題解決法なのです。
個人型の課題は70分、他部署を巻き込む問題は3日、経営の問題は3ヶ月で解決できる!とスピードを重視していることがわかります。素早く70点以上の解決策を作り、実行すること。そのために現状の問題を把握し、解決策を決めていくのです。
トラブルには、何らかの答えを出さねばいけません・・・「こうじゃないかな?」と仮説を自分の頭の中で考え、相手に納得感がある説明ができるかどうか、そこが問われているのだと思います(p192)
ゴールを設定する
問題解決の流れとしては教科書的です。まず、問題解決のためにゴールを設定する。いつまで、誰が、どうするのか。そして現状を把握する。ヒアリングするのか、観察するのか、ブレストするのか。
ブレーンストーミングを行なうときのポイントは、教科書的ですが「批判セズ」「議論セズ」「くどくど説明セズ」を伝えると、たくさんの意見が出てくるという。
そして問題の構造を把握したら、その解決策案を出していくのです。そして、その解決策案を効果と実現可能性で整理し、解決策を決めるのです。
解決策を決めるときに大切なのは、200個それぞれの解決策を考えるのではなく、重要度、効果度が共に高い問題だけに解決策を絞ることがコツだという。そして、解決策の実行にあたっては、誰が、何をやるのか明確にし、進捗を確認していきます。計画にバッファーを入れることもお忘れなく。
解決策を効果と実現可能性の2つの視点で優先順位を付けていきます(p224)
1日半で200人のクレーム対応センターを作った
他の本と違うのは、著者が取り組んだ具体的な問題解決事例が紹介されていることです。入力ミスを3000分の1にした。離職者を激減させた。1日半で200人のクレーム対応センターを作ったなど、生々しい内容です。
私は、ヤフーの某職場の離職者数が多いことのほうにびっくりしました。寺下さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・<情報収集の方法1>ヒアリング
<情報収集の方法2>行動観察困った事柄を引き起こしている現場に出向いて、1日から数日、関係者の行動を観察します・・
<情報収集の方法3>稼働分析・・いわゆる「ワークサンプリング」です・・
<情報収集の方法4>ブレーンストーミング(p75)
・「経営やマネジメントの問題」も出し尽くす・・ワークショップでは、経営やマネジメントに関する問題も出てくることを部門長に伝えれば、多くは「OK」と言ってくれるはずです。なぜなら、そういった問題を放置しては、ダメなことを部門のトップは、一番知っているからです(p178)
・議論の5つのルール・・
(ルール1)・・違うテーマの話をしない・・
(ルール2)・・当てられたら、発言する・・
(ルール3)フルタイム参加すること
(ルール4)反対意見がなければ、意見に賛成・・
(ルール5)発言は、簡潔に表現すること(p205)
【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第1章 ソフトバンク、ヤフーの社員が叩き込まれる
第2章 "超速"で「4つのステップ」を駆け抜けろ!
第3章 解決策を"超速"で実行し、必ず成果につなげよ!
第4章「他部署を巻き込む問題」は3日で解決せよ!
第5章「会社全体を巻き込む難問」は3ヶ月で解決せよ!
著者経歴
寺下薫(てらした かおる)・・・ヤフー株式会社ピープル・デベロップメント統括本部コーポレートPD本部採用・育成部人財育成チームプロフェッショナルトレーナー。三重県伊勢市生まれ。外資系企業を経て、Yahoo!JAPANに入社。入社後は、北九州センターやレスキューコールセンターの立ち上げなどに従事。その後、人財育成部門の責任者として、社員の人材育成に従事。2012年からソフトバンクユニバーシティで、問題解決に関する授業を担当。2013年から問題解決養成塾である「SV研究会」をヤフー内で立ち上げ、外部の企業にも門戸を開いて、若手社員を育成している。2014年コンタクトセンターアワード2014リーダー・オブ・ザ・イヤー受賞。2015年に北九州市コンタクトセンター協議会の講師にも就任。2017年にIT協会のカスタマーサポート表彰制度審査委員に就任し、2018年からサイバー大学でも授業を受け持つ。現在は、ヤフーの約1000名の管理職トレーニングに従事しながら、外部で多数講演も行っている。ソフトバンクユニバーシティ認定講師
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