「日本人の値段: 中国に買われたエリート技術者たち」谷崎 光

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日本人の値段: 中国に買われたエリート技術者たち

【私の評価】★★★★★(90点)


■知的財産権の侵害を理由とした
 対中制裁を強化するトランプ大統領が
 頭に浮かんで手にした一冊です。


 中国は、トランプ大統領がグローバル化と
 自由貿易に逆行していると主張してますが、
 本質は中国への技術流出阻止でしょう。


 この本ではいかに中国が
 外国の技術取得に動いているのか
 ルポしてくれます。


・中国企業で働く、日本人のエンジニアで、
 1年で200万元(3600万円)程度の報酬を
 受け取る人はけっこういる。多いのは
 150万元(2700万円)程度。
 これに加えて、高級マンションが用意され、
 通訳と送迎がつく。
 年、数回の帰国費用も会社が負担する(p18)


■たとえば、中国に進出するためには、
 中国企業との合弁しか認めず、
 資本も50%未満に制限しています。


 それだけリスクがあったとしても
 中国市場へ進出し、利益を上げたい
 日本企業は多いのです。


 金と技術を出させられ、
 合弁企業が順調に成長したら
 難癖をつけて乗っ取ればよい。


 そうでなくとも、
 各部門が低価格の部品へのすり替え、
 製品の横流しなど不正が
 常習化してしまうという。


・中国も市場をエサに、
 中国企業との合弁と技術開示を迫る。
 工場ごと持っていくわけだから、
 どんなに注意しても生産技術の
 流出はまぬがれない(p207)


■また、中国の技術開発とは
 製品を買ってきて分解し、
 同じものを作ることです。


 もし作れないところがあれば、
 日本人の技術者を雇って
 作らせればよい。


 それでもだめなら、
 金で技術を買うか
 盗んでくればよいのです。


 なるほど中国の戦闘機も
 どこかの国の戦闘機に
 そっくりなわけですね。


・研究所っていうけれどね。
 中国の場合は、買ってきたものを
 バラしたりして単に設計する場所ですね・・
 中国で、本当に『研究』をしている
 研究所があるメーカーはまずない(p88)


■国が違えば、技術への考え方も
 これだけ違うのだと思いました。


 盗んでも金で買っても
 製品が売れて儲かればよい。
 現場の雰囲気が伝わってきました。


 日本では最後に正義が勝ちますが、
 実際には悪が勝つのではないかと
 感じました。


 谷崎さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・部品を換えて安物を買って、
 利益を内輪に流して、
 どんな部門も全部やっている・・
 誰かのために働くんじゃなくて、
 全部金のためにやる・・・
 こういうことは日本人はできない。
 でも韓国人はできる。
 中韓は同じ穴のムジナです(p79)


・特許というのは、出願して認められると
 当然公開になる・・が、これをパクリの
 格好のデータベースとしているのが、
 中国と韓国である(p60)


・美的の商品はすべて市場からのパクリ、
 といわれている。
 他社の製品を買ってきて分解してコピーする・・
 だからある程度のものは、できる。
 しかし本当にいいものは作れない(p73)


・低価格の部品へのすり替え、製品の横流し、
 処分品の横領、仕入先からの
 バックマージンなど以外に、
 サービスセンターなら修理費のごまかし、
 製品の消耗品の転売、おまけの販売など、
 よくそんなこと思いつくなと思うほど、
 様々な手口がある(p77)


・優秀な部品を作る素材の基礎技術は買えない・・
 家具がすぐ壊れる。それはネジが簡単に
 折れたりするからである。
 また中国の裁縫用の針は、
 鉄に粘りがなくてすぐ折れる。
 いいハガネを作る技術がないからである。
 ひいては車のベアリングが何カ月間かで
 すぐ分解する(p130)


・中国で売られている部品の
 実に9割がニセモノなのである(p164)


・中国における民間の急成長の会社は、
 黒社会か軍が地方、中央政府か、
 もしくはイコールで複雑に結ばれた
 それらと深く結びついていることが多い(p30)


・中国は、軍事力=政権である・・・
 尖閣諸島などでくりかえされる日本への挑発行為。
 あれは実は自国民への武力のアピールの意味も大きい。
 今、我々はこれだけの軍事力を持っているぞと。
 そうでないとこの国は治まらない(p190)


・川崎重工の、中国への日本の新幹線技術供与は
 話題になった・・二階俊博氏の訪中時の発言がある。
 「日本は、中国から文化を教わり、その延長線上に
 日本の繁栄がある・・この技術が中国の発展にもし
 お役に立つならば、どうぞひとつお使いください。
 積極的に協力します」・・川崎重工は、結果として
 技術開示で中国に車両を売った(p215)


・NHKの中国での取材では、かならず中国中央
 電視台の職員がお目つけ役でひっついているし、
 NHKの中国報道は、私から見ればたとえば
 技術者流出でも中国に反感を向けぬよう
 在中の「台湾企業」で語るなど、
 非常にうまく日本人の感情を操作している(p217)


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■目次

第1章 自動車メーカーのエンジニア
第2章 ふたりの家電技術者
第3章 国際ヘッドハンターという仕事
第4章 建機メーカーの対日戦略
第5章 中国が狙う日本の技術



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