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【書評】「「幸せ」について知っておきたい5つのこと NHK「幸福学」白熱教室」エリザベス・ダン ロバート・ビスワス=ディーナー

2018/02/15公開 更新
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「幸せ」について知っておきたい5つのこと NHK「幸福学」白熱教室


【私の評価】★★★☆☆(73点)


要約と感想レビュー


幸福はデータで測れる

ブリティッシュ・コロンビア大学講師のエリザベス・ダン氏と、ポートランド州立大学准教授のロバート・ビスワス=ディーナー氏による、「幸福学」の講義をまとめた一冊です。


本書の最大の特徴は、「幸福」という主観的で捉えにくいテーマを、データと実証研究によって扱おうとしている点です。


収入がいくら増えても、年収750万円を超えると幸福度はそれ以上ほとんど上昇しないという研究結果が紹介されています。お金で買える幸福には上限があるという感覚は、多くの人が直感的に持っているものですが、それを具体的な数字で示されると説得力が増します。


幸福という曖昧な概念を測定可能なものと考えるアプローチが私は好きです。


「物質的満足」と「幸せ」が必ずしも比例しない(p64)

死の間際に人が後悔すること

本書のなかで最も興味深かったのは、オーストラリアのホスピスで行われた調査です。余命数週間の患者に「人生で一番後悔していることは何ですか」と問いかけ、その答えを集めたものです。


答えに共通するのは、いずれも「もっと頑張ればよかった」ではなく「もっと自分らしくいればよかった」という方向の後悔だという点です。死を目前にした人間が振り返るのは、成果や業績ではなく、自分の感情と人間関係にどう向き合ったかなのです。


「自分が幸せになるのを許せばよかった」という最後の言葉は、は、深いと思いませんか。多くの人が、無意識のうちに自分の幸福を後回しにしているのかもしれません。


自分に正直に生きたかった。自分の気持ちを伝えればよかった。自分が幸せになることを許せばよかった。こうした調査結果は、多くの人に知ってほしいものです。


余命数週間の患者に、こう問いかけました。「人生で一番後悔していることは何ですか?」・・多かった答えは次の5つです。「人の期待に応える人生ではなく、自分に正直に生きる勇気が欲しかった」・・「あんなに働かなければよかった」・・「勇気を出して自分の気持ちを伝えればよかった」・・「友だちとつき合い続ければよかった」・・「自分が幸せになるのを許せばよかった」(p180)

幸福のレシピ

著者は、幸福にも「レシピ」があるとしています。人との交わり(social)親切(kind)ここにいること(present)というシンプルな3つのレシピは、特別な才能や環境を必要としません。


誰かと交わること、誰かに親切にすること、今この瞬間に意識を向けること。日々の生活のなかで実践できる小さな習慣の集積が、幸福度を左右するというのです。


実際、感謝日記をつけたグループは、単に日記をつけただけのグループより幸福感が大きく増していたという実験結果も紹介されています。


また、自分のためにお金を使うより、人のためにお金を使った学生のほうが幸福度が高くなるという研究結果も印象的です。お金の使い道を変えるだけで、幸福感が変わるというのは、誰でも今日から実践できるポイントです。


幸福のレシピ・・人との交わり(social)親切(kind)ここにいること(present)の3つです(p39)

だれでも幸福学研究者になれる

幸福学という分野が大学で正式に研究されているという事実に、新鮮さを感じました。お金をもらいながら幸せについて研究できるとは、なんとも羨ましい話です。


振り返れば、私自身も16年間、一日一冊「幸せ」や「成功」についての文献を読み続けてきました。専門的な研究機関に所属しているわけではありませんが、ある意味では「幸福学研究者」をやってきたとも言えるのかもしれません。


ダンさん、ディーナーさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・ケーキを作るのにレシピがあるように「幸せ」にもレシピがある(p7)


・10年後の理想の生活をなるべく具体的に想像してみてほしいのです・・10年後、どこにいて何をしているのか(p25)


・支出の面で過去に最も後悔しているものは、お金を使わずに逃した「経験」だという調査結果も出ています(p69)


・「天職」・・「社会の役に立っている」「自分の仕事には深い意味がある」という実感が、働く動機になっています・・往々にして「たとえお金をもらえなくても、この仕事をやる」と言います(p116)


・「怒り」も、あなたやあなたの大切な人に危険が迫っていると教え、行動を起こし、大切な人を守れと奮い立たせてくれます。「悲しみ」は一時撤退して状況を確認し、再起をはかるチャンスをもたらします(p160)


「幸せ」について知っておきたい5つのこと NHK「幸福学」白熱教室
NHK「幸福学」白熱教室制作班 エリザベス・ダン ロバート・ビスワス=ディーナー
KADOKAWA/中経出版
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【私の評価】★★★☆☆(73点)


目次


第1章 幸福を見つける鍵
第2章 お金はあなたを幸せにしますか?
第3章 あなたの仕事と幸せの関係
第4章 挫折や逆境から立ち直るためには
第5章 幸せを導く人間関係とは
第6章 幸福になるための10の質問


著者経歴


エリザベス・ダン(Elizabeth Dunn)・・・カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学心理学部准教授。心理学の分野で「新星」の1人として注目されている。自己認識と幸福についての研究を専門とし、ニューヨーク・タイムズ、グローブ・アンド・メール、ロンドン・タイムズをはじめ多数のメディアや、英国キャメロン内閣の政策文書にとりあげられている。共著書に『「幸せをお金で買う」5つの授業』(KADOKAWA中経出版)など。


ロバート・ビスワス=ディーナー(Robert Biswas-Diener)・・・米・ポートランド州立大学講師。幸福の研究のため、グリーンランド、インド、ケニア、イスラエルなどの国々に足を運び、〝ポジティブ心理学界のインディ・ジョーンズ〟として知られる。幸福と、文化・強み・勇気の関係についての研究の第一人者である。著書に、『勇気の科学』(大和書房)など。ポジティブ心理学コーチングに積極的に従事し、幅広く国際機関との幅広い情報交換を行っている。


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