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「スリーパー 浸透工作員 警視庁公安部外事二課 ソトニ」竹内 明

(2017年11月21日)|本のソムリエ
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スリーパー 浸透工作員 警視庁公安部外事二課 ソトニ


【私の評価】★★★★☆(81点)


■この本は北朝鮮の工作員と
 警視庁公安部が暗闘を繰り広げる
 9月末に発行された推理小説です。


 ちょうど今年の9月15日、
 北朝鮮は弾道ミサイルを
 日本の上空を通過させ、
 東北東2000キロ先の太平洋に
 発射しました。


 すごいタイミングだなぁ、
 と思いながら手にした一冊です。


・日本への不法入国を「浸透」、共和国に向けて出国することを「復帰」と言う(p106)


■北朝鮮の浸透工作員は、
 日本人に背乗りして
 日本人として活動しています。


 そしてそれを追う
 元警視庁公安部の
 ベテラン刑事という設定。


 ストーリーを通じて北朝鮮の
 隠れ家(シェルター)や
 スパイ道具、在日の協力者との
 関係などが浮かび上がり
 興味深く読みました。


・別の北朝鮮人が、その戸籍や旅券を使って成りすましたまま、アメリカ・テキサス州に渡り、「アメリカ育ちの日本人」としての経歴を作り上げてきたのだとう。まさに国家が潜入工作員のために育てた背乗り(はいのり)用の身分だった(p52)


■この本では、官邸や警察庁にまで
 北朝鮮の工作が行われている設定で、
 戦前のソ連の内閣やマスコミへの
 工作を思い出させました。


 どこまで現実に近いのかわかりませんが、
 一定の浸透工作員が活動しているという
 ことを想定しておかなければ
 いけなのでしょう。


 竹内さん
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・他人の戸籍を乗っ取って、成りすます「背乗り」は、ロシアと北朝鮮の非公然機関員の伝統的な手口だ。彼らは日本人として社会に溶け込み、結婚して、子供を育てながら、諜報活動を行うこともある(p184)


・昔の工作員は、深夜に短波で流される乱数放送をラジオで受信していたそうだが、龍哉の世代は「ステガノフラフィー」を使う。インターネット上の画像に隠されたテキストや音声ファイルを複合して、指令を受信するのだ(p104)


・「チヨダ」とは、警察庁警備局警備企画課指導係。全国公安警察の協力者獲得工作と、そこから得た情報を管理している秘密部署だ(p219)


・新幹線・・最高時速三百キロのスピードを誇る最新の公共交通機関には、乗客の手荷物検査も、身分証確認もない。利便性とコストの追及が、乗客の安全を犠牲にしているのが実態だ。このため、新幹線は偵察総局の対日破壊工作リストの最上位に位置し、工作員たちは模擬車両で破壊訓練を繰り返している(p305)


・<金剛山(クムガムサン)>龍哉たちはこう呼ぶ。ここはビルの所有者すら立ち入りを禁じられた隠れ家(シェルター)だ。金剛山の扉の脇には、小さな箱が据えつけられている。小さなレンズがこちらを見ており、その下の窪みに中指を挿入すると鍵が開く音が聞こえた。静脈認証式の鍵だ(p24)


・スマホで撮影したデジタル画像は指紋を鮮明に映し出していた。偵察総局が開発した「BIO FINGER」は写真から指紋の降線と谷線の陰影をサンプリングしたうえで、汗や血管などの色むらを除去してデータ化できる優れものだ(p93)


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▼引用は、この本からです。

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