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「鈍才が7件もの多彩な異業種で何故成功出来たのか-慣例・鉄則に反して成功した異端児の物語」清水優

2016/07/02公開 更新
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鈍才が7件もの多彩な異業種で何故成功出来たのか-慣例・鉄則に反して成功した異端児の物語

【私の評価】★★★★☆(85点)


■石油化学から始まり、
 ベンチャーのバイオ研究試薬でも
 成果を出してきた清水さんの一冊です。


 清水さんは設備の設計から営業まで
 自分の正しいと思う道を
 選んできました。


 役員でも間違っていれば無視するし,
 担当外でも役員を動かして
 道筋をつけようとする。


 これで干されないで済んだのは,
 会社全体の利益だけを考え,
 人の悪口は言わずに,
 あるべき姿を追及していたからでしょう。


・生化学研究試薬とは何ぞや・・専務・常務・・
 "エライ"さんが一斉に「売上も(少)ないのに、
 ○ヵ月も在庫を持つとは何事だ!」と非難轟々です・・
 在庫がないと輸入品ですので納品までに
 約一カ月かかります。
 顧客は一日でも早く実験を始めたい・・
 生化学試薬の粗利は相当大きいのです・・
 素人の専常務の言われる事を
 真に受ける必要はありません(p78)


■清水さんが今感じているのは,
 人口が縮小するマイナス成長時代は
 利益を上げるのが
 非常に厳しい時代であること。


 そうした中で,資源のない日本が
 今の生活レベルを維持するためには,
 付加価値の高いモノやサービスを
 売っていく必要がある。


 それを支えるのが,理系の研究開発であり,
 理系の人材育成こそが
 低成長の日本を救うということです。


・文系の私立は半減させて、その予算で
 理系の大学を増やすべきです。・・
 資源は何もない日本・・
 研究開発で独自の新製品を開発し、
 新事業を起こして行く以外に本質的に
 日本を再生させる道はありません。(p134)


■確かにそうだな,と思いました。


 日本はいろいろなものを輸出してきました。
 織物⇒自動車⇒家電・・


 ソフトウエアもハードウエアも
 理系の人が作っています。


 次はロボット,人工知能が
 来るのかもしれませんね。


 清水さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・鐘繊の失敗は井澤氏のワンマンとそれを取り巻く
 イエスマンに原因がある・・大切なことは
 異見を言ってくれる人がいるかいないか、
 その異見を理解できるかどうかにあると思います(p74)


・創薬関連の受託試験会社の発掘、代理店権取得・・
 受託試験の場合は一件当たりの金額が大きいので、
 実験担当者ではなく、医療品会社の主任研究員、
 マネージャー以上の方にお出ししないと効果が
 期待できません。私は独自に受託試験用の
 ダイレクト・メール・リストを作りました(p118)


・特に技術上の件について事務系経営者の決裁を
 仰ぐ場合は・・・「どう致しましょうか?」
 ではなく、「こう致します」と断定して、
 疑義の生じない様にする事が望ましい(p120)


・新たな研究開発、新事業の創生によって
 成果を挙げて行くしか日本の生きる道はなく、
 これがなければ衰退あるのみですが、
 実際上は極めて困難です(p131)


・日本では文科系、特に法学部、経済学部出身者が
 圧倒的に多く、出世も理系に比べると日本では
 遥かに有利です。(p133)


鈍才が7件もの多彩な異業種で何故成功出来たのか-慣例・鉄則に反して成功した異端児の物語
清水 優
東京図書出版 (2016-01-13)
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【私の評価】★★★★☆(85点)


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■目次

丸三石油入社の経緯
工業技術院資源技術試験所への派遣
丸三石油・松山製油所での現場勤め
丸三石油化学・千葉工場での装置建設作業・試運転
丸三石油化学(本社)企画部での短い勤務―初めての海外出張
丸三石油(本社)技術開発部での研究企画
思い出深い米国丸三石油(ニューヨーク)駐在
丸三石油(本社)技術開発部での再度の勤務
丸三石油・生化学部の発足
丸三バイオケミカル(現コスモ・バイオ)(株)での活動
イワイ(株)バイオ開発室
フナバシ株式会社への転進
成功の共通要因の解明・教訓の纏め

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この著者の本


コメント(1)

「鈍才が7件もの多彩な異業種で何故成功出来たのか」の著者です。お忙しいところ、極めて正確に幣趣意をお汲み取り頂き、適切なコメントを付けて頂いて、誠にありがとうございました。
在職中に貯めた”なけなしのへそくり”100万円を共同出版の
印刷費に使ってしまい、印税は全部売れても3.5万円で、”焼け石に水”ですので、印税目的ではなく、1人でも多くの方に読んで
頂いて日本の再生のために頑張って頂ければと思っております。
ありがとうございました。

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