「会社人生は「評判」で決まる」相原 孝夫
2016/05/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
人事コンサルタントが日本の人事事情を説明してくれます。終身雇用が前提の日本の企業はで人事は、短期的な実績ではなく長期的な"評判"で決まります。一方で、中途採用者が多い組織では、数字で出る仕事の実績と"評価"が重要視されるらしい。
では、"評判"の良い人と、"評判"の良くない人との差は、どこにあるのでしょうか。その差は、わずかで、些細なことだといいます。根回しに手を抜かない人。上司の気づかないことをフォローする人。こまめに報告する人は評判がよくなります。つまり、根回しに労を割かないことで「事前に聞かされていなかった」と猛反発して大問題へ発展することは多いという。「正論だから通るはず」とか、「論理的に明快に説明がつくから大丈夫」など考えていると、足を引っ張られるのです。
評判とはある人が抱いた印象に、多くの人の評価や判断が加えられ、伝えられたものです。しかも1人ではなく複数の人が関与してはじめて形成されるので、この人に仕事を任せると安心できる人が選ばれるのでしょう。
・社内的な評判の高い人たちを見てみると、・・彼に任せると何か安心だとか、他の人よりも少しだけかゆいところに手が届くとか、少しだけ粘り強いとか、欲しいタイミングで報告をくれるとか、微細な差であることが多い(p140)
ポイントは、配慮、実行、役割だとわかりました。周囲に配慮し、すばやく実行し、自分の役割を演じ切る人。手間を惜しまず、地道にやっていく人が評価されるようです。相原さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・流動性が高く、中途採用者が多い組織では、長期的に築かれる評判よりは、短期的な実績である評価がより重要となる(p41)
・好業績者には、必ずと言っていいほど、師匠的存在の人がいるのだ(p87)
・役割を誤解していたり、理解していても十分に演じられない場合、ミスマッチと判断され、高く評価されることはない。管理職になれば、他人を褒めたり、叱ったりしなければならない(p203)
・日産自動車では・・ベテランの部長格から選ばれた5人のキャリアコーチが、各部門の将来リーダーを世界中から発掘して育てるという役割を担っている(p32)
日本経済新聞出版社
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【私の評価】★★★★☆(81点)
目次
プロローグ すべては評判で決まる
第1章 評価が高くても、評判が悪ければ意味がない
第2章 驚くほど少ない情報と言葉で、印象はつくられる
第3章 中途半端な立場の人ほど、高圧的になりやすい
第4章 結果を出す職場では、他部署の社員が油を売る
第5章 評判を高め維持する、シンプルな考え方と働き方
著者経歴
相原孝夫(あいはら たかお)・・・株式会社HRアドバンテージ代表取締役社長。早稲田大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。マーサージャパン代表取締役副社長を経て現職。人材の評価、選抜、育成および組織開発に関わる企業支援を専門とする。経営アカデミー(日本生産性本部)、日経ビジネススクールほかでの講演等多数
読んでいただきありがとうございました!
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