「HONDAの技術革新を支えた〝超〟目標達成法「9つの質問」」小川 泰史
2016/04/11公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(92点)
要約と感想レビュー
QCこそが目標達成法
HONDAの〝超〟目標達成法とは、QCのことです。QC(Quality Control)とは、特に製造業で活用されている品質管理の仕組みです。著者は、HONDAで学んだQCの問題解決の技術を活用して、コンサルタントとなりました。
職場の課題を解決する手段として、QCには何十年とそのノウハウが蓄積されているのです。まず、職場を取り巻く問題、あなたを悩ませる問題をすべて洗い出します。こうしたQCの問題解決の考え方が、仕事における課題解決と目標達成に活用可能なのです。
特徴的なのは、やはり最初に目標設定することでしょう。目指すべき目的があり、その壁となっている課題を見つけ、それを解決する方法を考えていく。当たり前のようですが、「真の問題」を明らかにするのは、非常に難しいのです。
「そもそも(解決に)取り組むべきものだったのか、どうか」を、みんな間違っているのです(p9)
最初に目標設定
例えば、欠品が多いとすれば、在庫が少ないのが問題なのだろうかと仮説を立てて、それが違うのかどうか検証するわけです。そうした考えるための一つの型として9つの質問があるわけです。
ここで仮説力、言い換えれば「かもしれない力」が求められます。「この状況が起きた原因は、○○かもしれない」「この問題の原因は○○かもしれない」と考える力です。そして、目標設定の根拠と動機を考えましょう。なぜ、あなたは『したい』のか。人間は「動機」なしには努力を続けられないものです。
「これが問題だろう」ではなく、検証して「真の問題」を明らかにする・・次は「なぜそれ(問題)が起きているのか」という、真犯人探しが始まります(p131)
トヨタを辞めても1000万円
9つの質問よりも、層別分析、理想との差異分析、仮説・検証といった考え方が参考になりました。また、成功しているモデルを探し出すという視点で、販売店などでは「上位の業績を挙げている店舗をロールモデルにして、追いつく」という活動も興味深く感じました。
トヨタ自動車では「トヨタを辞めても1000万円」と言っているらしい。それだけ、QC的考え方を持った人に価値があるということなのでしょう。小川さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・極端な言い方になりますが、ラストプロブレム以外の問題からは、逃げていいのです(p26)
・標準化と再発防止を「定着」させよう・・担当を決めたり、あるいはルール化したり、さらにそのルールが守られているか管理したり、それができる人を教育したりする仕組みをつくることも必要です(p201)
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【私の評価】★★★★★(92点)
目次
序 章 9つの質問で、人生の答えがすぐに出る!
第1章 取り組むテーマを正しく選定する
第2章 現状を適切に把握する
第3章 目標設定を適切に行う
第4章 真の問題を発見する
第5章 要因分析 真犯人を探しだす
第6章 対策を立案して 真犯人をやっつける
第7章 効果を確認しよう
第8章 失敗を繰り返さないための「標準化」
第9章 未来を決める「新たな課題」を探す
著者経歴
小川 泰史(おがわ やすし)・・・1975年 北海道生まれ。北海学園大学法学部卒。「社会のゴミ」とまで言われたダメセールスマンだったが、さまざまな出会いを得て人生のどん底から這い上がり、2010年に株式会社本田技研工業のQCプレゼン大会で日本1位受賞、世界大会出場。その後、コンサルタントに転身、わずか8カ月で取締役に就任する。1年で6000万円を売り上げるコンサルタントとなるも、クライアントの売り上げを伸ばすために重要なのはノウハウではないと悟る。過去の体験から「自分の価値」と「使命」に気づいてもらうために「5つの質問」で行われる「ストーリーコンサルティング」を展開し、クライアントに人生のステージが変わるほどの変化をもたらしている。自分の価値探しと、人生を変えるための機会を多くの人に伝えるため、2014年4月にクローバー出版を立ち上げ、コンサルティングと新人のプロデュースを手がけている。
読んでいただきありがとうございました!
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