「その話し方では軽すぎます!エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』」矢野 香
2016/01/04公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
企業の上の役職を目指す人に、社外や部下からなめられないための話し方講座です。能力的には同じなのに、セルフイメージが低く、部下になめられる人がいます。そうした人の特徴は、話す内容が軽い。そして、緊張からか、手や足をそわそわ動かしているという。
相手に軽く見られたくなかったら、慌てない、急がない、走らないことが大切なのです。著者のアドバイスは、自分と同じような立場で、目標としたい人物を具体的に設定して、真似することです。
・若く見られるということは、厳しい見方をすれば、なめられたということです(p39)
自分の話し方を改善するためには、どうすればいいのでしょうか。まず、話す内容は、事実に基づいた建前でなくてはなりません。そして、数字に裏付けされた建前の事実と方針を堂々と話すのです。それが、管理職、経営者に求められる姿だからです。
そして人前でスピーチをしていて緊張を感じたら、いま目の前で話を聞いている人のことを客観的に見ることが大事だという。つまり「話を聞かれているのではなく、自分が話を聞かせている」ということを認識するのです。
・まず「数字・固有名詞を示す」、次に「情報源を明らかにする」、そして最後に「推測は話さない」(p57)
人前で話すときには、緊張からの無用な動作は「厳禁」です。ただ、緊張すると、無意識に瞬きが増えたりすることもあるでしょう。そこは意識して、瞬きをしないように心がけるなどの努力が必要なのです。
また、聞いてもらうのではなく、聞いている人を観察するくらいの余裕がほしいのです。これらは、この本を読んで練習し、人前で話すことに慣れることで、なんとかなるはずです。矢野さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・緊張したときに出る無意識の動作は、すべて消すこと、これが大原則です(p176)
・お辞儀は挨拶の前に無言で行う(p94)
・親しい人にも、年下にも「ため口」は御法度(p208)
・「実は」を頻繁に使わない(p131)
・「感情の言葉」とは、「嬉しい」「許せない」・・「良い」「悪い」「多い」「少ない」「成功」「失敗」「もの」「わざわざ」「わずか」「やっと」などの評価する言葉も、思わず言ってしまっていないかどうか、感情の言葉と共にチェックするようにしましょう(p67)
▼引用は下記の書籍からです。
すばる舎
売り上げランキング: 147,031
【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
1章 人前で話す立場になったら、厳守してほしいこと
~他人に「与えたい印象」をお決めください
2章 軽い「話しグセ」を改善する!7つの即効策
~余分な言葉・動作を取り除きましょう
3章 エグゼクティブの「やってはいけない」言動リスト
~「過剰敬語」「安直な行い」はココを見直します
4章 クラス感が漂う「自己演出」の基本
~信頼を勝ち取る「次のステップ」へ進みましょう
5章 隙(すき)をつくらない!人前に立つときの「万全策」
~「あがり防止策」「注意すべき所作」を指南します
著者経歴
矢野香 (やの・かおり)・・・スピーチコンサルタント。国立大学法人長崎大学准教授。専門は、心理学・コミュニケーション論。NHKでのキャスター歴17年。NHK在局中からスピーチ研究に取り組み、博士号取得。大学教員として研究をつづけながら、「信頼を勝ち取る正統派スピーチ」を伝授。受講者にはプロの話し手も多数。政治家の演説、大手企業の株主総会、著者の講演・セミナー、教員の講義、学生の就職面接などオンラインでのコミュニケーションを指導。
読んでいただきありがとうございました!
コメントする