「泣き虫しょったんの奇跡 完全版<サラリーマンから将棋のプロへ>」瀬川 晶司
2015/02/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(93点)
■その少年は、いじめられ、
萎縮していました。
そして、少年が小学五年生のとき、
ある先生と出会ったのです。
その先生は、生まれて初めて
少年の作品を褒めてくれた。
「僕は僕のままでいい」
と言ってくれたのです。
そしてその少年は、
好きな将棋に打ち込み、
プロ棋士を目指しました。
・自分には将棋しかないことは、誰もがわかっていた。それでも将棋を指すことが苦しくなり、将棋から逃げ出したくなってしまう。それが奨励会というところなのだ。奨励会のなかで、プロ棋士の夢をつかむことができる者は二割ほどである(p135)
■が、そのプロ棋士になる夢は
崩れ去りました。
サラリーマンとなった彼は、
アマチュアとして将棋を指し、
将棋が好きになった。
楽しんで指しているうちに、
彼はプロに連勝するように
なっていったのです。
アマチュアがプロになる道は、
今はない。
でも、プロになりたい。
周囲の応援もあり、
プロへの道が作られ、
また彼は苦しむことになるのです。
・父が唯一、よく口にしたのが「自分の好きな道を進め」という言葉である(p34)
■この本で一番の感動は、
プロ編入試験で
初戦敗退したときのこと。
大きなプレッシャーに
押しつぶされそうなとき、
あの先生から手紙をもらったのです。
「だいじょうぶ。きっとよい道が拓かれます」
その手紙にはそう書かれてありました。
そして彼は、試験に勝ち、
プロ棋士になることができたのです。
人との出会いで人生は変わる。
後悔しないためには、
最善を尽くすしかない。
そうした大切なことを
教えてくれる一冊でした。
瀬川さん、
良い本をありがとうございました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・僕は気づいていなかった。勝利の女神は結局、そのとき置かれた状況で最善を尽くせる者だけに微笑むということに。(p174)
・僕は父に償いをしなくてはならないと思った。もうすぐ体は灰になってしまうけれど、父は僕のなかでこれからも生きつづける。その父は、どうすれば喜んでくれるだろうか、と考えた(p251)
・将棋は強ければ勝てるというものではない。相手や会場の雰囲気に呑まれず、平常心を保つ精神力も必要なのだ。それを養うには全国の中学生が集まる大会に出るしかない・・・(p113)
・プロへの切符は二枚だけである。総勢三十人余りの三段が十八局ずつ指す三段リーグでそれを勝ちとるためには、最低でも十二勝、できれば十四勝はしたい(p164)
講談社
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【私の評価】★★★★★(93点)
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■目次
第1章 恩師
第2章 ライバル
第3章 奨励会
第4章 再生
第5章 新たな夢へ
いまだから言えること
第6章 棋士
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