「思い通りの死に方」中村 仁一、久坂部 羊

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思い通りの死に方 (幻冬舎新書)

【私の評価】★★★★★(92点)


■二人に医師による大放談会です。


 お二人が言いたいことは、
 働き盛りの医者は、がん検診も人間ドッグも
 受けていないということ。


 医師自身は、検診の有用性に
 疑問を持っているのです。


・そもそも、医者はがん検診を受けない人が多い・・・
 約3分の2が10年間に一度も受けていません・・・
 (がんではないのにがんと判定されること)の問題もある・・
 医者自身はがん検診や人間ドッグをあまり信用していない(p98)


■そもそも、60歳近くにもなって、
 がん検診でがんが発見されたら・・・。


 「がんと闘いましょう!」

 などと医者に言われて、
 地獄の抗がん剤治療が待っている。


 がんで死ぬのか、抗がん剤で死ぬのか、
 わからないような状態になって、
 最後はホスピスで最後を迎える可能性があるのです。


・男も60歳を過ぎたらもういいでしょう。・・・
 がん検診や人間ドッグなんか、その年齢になったら
 もうやったらイカンですよ。がんを早期発見してしまったら、
 自覚症状もないのに苦しい治療を受けるハメになりますから(p84)


■先生方が言いたいことは、
 年を取ると死ぬ可能性が高くなるということ。


 そして、治る可能性のない病気も(特にがん)
 実際にはあるということ。


 ところが、病院に行くと、治る可能性がなくても
 治療薬や対処療法(胃瘻や点滴)があって、
 それで苦しんでいる人がたくさんいるということです。


・「高齢の親が食事をとれなくなったらどうしますか?」と
 アンケート調査すれば、ほとんどの人が「点滴する」・・
 「胃瘻をする」などと答える・・・でも、年寄りが
 食べられなくなったということは、もう個体として
 死に向っていることを意味しているんですよ。
 それを無理やり引き留めても、ただただ不自然で
 残酷な状態になるだけでしょう(p57)


■最後は、日本の健康診断です。


 毎年健康診断をしているのは
 日本くらいのもの。


 多額の費用をかけて
 メタボや検診などを推進してきたのは、
 世界に先駆けこの政策の有効性を検証するためでしょう。


 日本でのすばらしい健康診断という
 実験の成果を世界に発表していただきたいものですね。


 中村さん、久坂部さん、 
 良い本をありがとうございました。


───────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・今の厚生労働省も、今さら「効果がない」とは
 言えないのでしょう・・・すでに人間ドッグや
 検診を生業とする人が大勢いるので、
 彼らを失業させるわけにもいきません・・・(p102)


・基準値が、昔よりもどんどん引き下げられています。
 私が大学で勉強したころは、160以上が高血圧でした。
 それが今は140とか125まで下がっている・・・
 日本に高血圧症患者が3000万人も4000万人もいるなんて、
 おかしいですよ。・・・病気の捏造ですよね

 勝手に病気にしておいて「薬で治してあげます」(p17)


・ただの老化に病名をつけたりするんですよ。
 たとえば骨粗鬆症なんて、年を取ったら
 当たり前の現象
なのに、老化とは言わない。
 それで「いい薬ができた。これで骨が丈夫になる」
 などと言うんですが、あれは言葉のアヤなんですね(p14)


・テレビではそんなサプリメントのCMをよく見ますけど、
 あんあもの飲んだって体は若返りませんからね。・・・
 ところが健康圧力が強いから、グルコサミンだのヒアルロン酸だの
 コラーゲンだのが、めちゃくちゃによく売れるんです。・・
 私、そういうテレビCMを見るたびに、手がプルプル
 震えるくらい腹が立ちます(p21)


・口から食べられなくなった患者の胃にチューブを入れて
 栄養を与える「胃瘻(いろう)」・・・自分もやってほしい
 と考える医者は少ないでしょう・・・結局、患者に
 なったことのない医者には、その治療の苦しみがわからない(p47)


・「死ぬのはがんに限る」・・・
 実は高齢者の場合、無駄な治療さえしなければ
 痛みもなく、穏やかに死ねる。・・・
 それを無理に治療しようとして患者を苦しめるから、
 「がんは悲惨だ」という印象を世間に植えつけるんです(p80)


・少なくとも手遅れの状態で発見された末期がんは、
 そのとき痛みがなければ、最後まで痛みは出ません。
 悲惨な最期を迎えるように見えるのは、がんではなく、
 がん治療が患者を苦しめているからです(p87)


・医療の適応を考えるときに大事なのは、まず第一に
 「回復の見込みがあるかどうか」ということ。
 もうひとつは、「QOLが改善するかどうか」(p154)


・古希を迎えた記念に棺桶を手に入れました・・・
 実際に入ってみると、人生観が変わりますよ。・・・
 もちろん、まだ生きていますから、棺桶から出てきても
 良くはなくなりませんよ。しかし執着心が薄れると、
 考え方は間違いなく変わってきます(p164)


思い通りの死に方 (幻冬舎新書)
中村 仁一 久坂部 羊
幻冬舎
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【私の評価】★★★★★(92点)

■目次

第1章 長生きは、怖い
第2章 医者は信用できるのか
第3章 自然死は、怖くない
第4章 なぜ「死ぬのはがんに限る」のか
第5章 医者もがんになるのはなぜか
第6章 患者に「嘘の希望」を与えるな
第7章 尊厳死の理想と現実
第8章 思い通りの死に方


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