「ハリウッドを掴んだ男マイケル・オーヴィッツ」スティーヴン・シンギュラー
2012/08/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
■アメリカの4大タレント代理店(エージェンシー)といえば、
クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー(CAA)
ウィリアム・モリス・エンデヴァー(WME)
インターナショナル・クリエイティヴ・マネージメント(ICM)
ユナイテッド・タレント・エージェンシー(UTA)。
この本は、CAA創業者の一人である
オーヴィッツについて書かれた一冊です。
日本の芸能事務所のように、
なぞの多い人物のようです。
・「マイク(オーヴィッツ)に話しかけられると、
なんだか自分がすごく重要人物になったような気持ちだ」
そう語る人間はハリウッドでひとりやふたりではない(p121)
■ハリウッドのエージェンシーの儲け方は、
映画やテレビ番組のシナリオから出演者、監督までを
パッケージで受注すること。
受注すればいたれりつくせりですが、
受注できなければ一切協力してもらえない。
エージェンシーは主要なタレントをすべて抱えることで、
強大な力を持ち、すべてをコントロールするように
なっているようです。
・CAAはひとつの映画の製作に関わるほとんどすべての
要素を自分の手元に集め、その代理店となり、
それをひとまとめとして強引にスタジオ側に
受け入れさせるのである(p39)
■そのためエージェンシーを敵に回すと、
日本の芸能界のように徹底的に
干されることになります。
日本もアメリカもその点では
あまり違いがないようです。
・自分はあらゆる権力を握っていると他人に信じこませ、
そのように行動していると、本当に他人を支配することができる。
自分の感情をうまく支配できない人を見れば、
何のためらいもなく自分の支配下に置いた(p78)
■芸能界という世界は、
黒子の世界。
見えにくいから興味をそそられるのだと
思います。
シンギュラーさん、良い本を
ありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・CAAでメディアに話すのを許されているのは三人だけである。
この三人、CAAの共同設立者であるマイク・オーヴィッツ、
ロン・メイヤー、ビル・ハーバー意外のものが職権を濫用して
マスコミに話をしようものなら、二度とチャンスはない(p31)
・新人は、手紙の仕分け、ベテランエージェントのための
使い走り、それにオフィスに送られてくるシナリオを丹念に読んで
コメントを書く「カバリッジ」の仕事からスタートする(p103)
・映画ビジネスがどういうものか、教えてあげよう・・・
面白そうな企画のミーティングがあるから出かけたいと言えば
ハリウッドからの航空券を手配してやらなければならないし、
ホテルにいい部屋をとってやらなければいけない。
うまいものを食べさせ、
かっこいい車を提供しなければならない(p100)
・金持ちのような印象を与えようとした。
本当は金がないときもね。
みんな服装をびしっときめて、
ジャガーを乗り回した。・・
壁には素敵な絵をかけた。
すべてのもの、すべての人が
きちんとしていないと気がすまなかった(p106)
・エージェントがあまりにも強大な力を持ちすぎ、
ゲームもスターも好きなように
あやつっていると考えるようになった。
自分のことしか考えないエージェントらのせいで
試合観戦料は吊り上り、
平均的な収入では入場券が手に入らなくなった。(p132)
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
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