「難儀もまた楽し―松下幸之助とともに歩んだ私の人生」松下 むめの
2011/10/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
要約と感想レビュー
奥様の視点から松下幸之助の人となりを推察する一冊です。夫婦喧嘩もしたようですし、夫は自分が悪くても謝らないなど普通の感覚です。 ただ、ご主人が仕事に対して、食事を忘れるくらい真剣であったのは間違いないようです。
・主人なんかも、若いときにはお膳をひっくり返したり、お箸でお膳をパンと叩くこともありました(p140)
主に、しつけについての話が多いですね。明治生まれ、大正に松下と結婚していますので、しつけに厳しい普通のお母さんといった印象です。
・昔はお便所でもきれいにしておかなかったら不細工な子どもが生まれる、鼻の低い子が生まれるとよく言われていました(p33)
松下幸之助は、よくよく考え悩む人であったようですが、むのめさんは、悩まないタイプ。お互いに言いたいことはあったようですが、時々ケンカをしながらも、二人でうまくやってきたのでしょう。
むのめさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・若い人が、「これはできません」と言ったときに、私は「できませんではいけません」と注意します。「『私、よういたしません』と言って教えを乞うようにしなさい」と言うのです。(p38)
・"苦労"と"難儀"とは、私は別のものだと思っています。"苦労"というのは心のもちようで感ずるものだと思うのです。ものがない、お金がないというのが苦労だといわれる方がありますが、私は、これは"難儀"だと解しています(p54)
・お金儲けの秘訣は何かといえば、私は、お金を使わないことだと思います(p72)
・上手な人の使い方・・・なるべく相手の人に近づいていき、そして心を通い合わせるように努力をしたらいいと思います。・・・そう考えますと、他人が言うことを聞いてくれないのは、自分が至らないのであって、「私の言うことを聞かない」と腹を立てても、しかがたないわけです。(p107)
・主人は体が弱かったものですから、「電燈会社でずっと働くのは無理だと思う。商売をしたい」とよく申しておりました。(p51)
・主人は昔から床へ入るときは、必ず帳面と鉛筆を持って入って、何か気のついたことがあれば、書きとめていました。(p113)
・私が感心するのは、(主人が)商売の計画が上手ということ・・ただ、立てた計画を遂行し、成功させるためには人が必要なのですが、運がいいことに、いつでも、それをキチンと遂行してくれる人が次々に出てくるのです。(p120)
・私の主人は大切なこと、大事なことでもあまり私に相談しない人でした・・・「もう辞めはったん」と聞きますと、「うん、もう辞めてん」と、そんな感じです・・「あぁ、そらよかったですね」と言う程度です(p152)
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
目次
1 私の思い出帖から
2 私の生活心得帖
3 女性の生きがい
著者経歴
松下 むめの(まつした むめの)・・・ 1896年- 1993年。パナソニックの創設者である松下幸之助の配偶者。三洋電機の創設者である井植歳男の姉妹。
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