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「クルマ社会・7つの大罪」増田 悦佐

2011/09/17公開 更新
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クルマ社会・7つの大罪

【私の評価】★★☆☆☆(64点)


■「自動車」で現代アメリカを切る、
 といった趣向の一冊です。


 豊かな国といったイメージの
 アメリカですが、
 ドルの価値低下とあわせて
 いろいろと問題がある。


 特に、自動車社会は
 エネルギー多消費社会の 
 象徴的なものといえるでしょう。


・アメリカ社会はクルマなしでも生活できるようには
 できていない・・・「一リットルのミルクを買うのに、
 ガソリンを500cc使う必要がある」場所に
 住んでいる人たちが大勢いるのだ。(p46)


■製造業は、生産を海外に移し、
 アメリカはすっかり金融国家に
 なってしまった。


 アメリカ自動車産業の空洞化、
 斜陽化は明らかです。


 日本の未来はどうなるのだろう、
 と考えてしまいました。


・大都市で情報が集中しているところから、
 あまり最新情報に触れることができないようなところに
 工場を移していくと、技術革新が途絶えて競争力が
 なくなって没落していく。(p277)


■なんでもかんでも
 クルマに結びつけるのはどうかな、
 と思いましたが、
 切り口なので気にしないことにしましょう。


 アメリカの良くない点を、
 日本の未来のために活用したいものです。


 増田さん、
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・貧乏人ばかりが住んでいる学校区では、
 少しでも教育予算の足しにしようと
 給食業者を入札で選ぶ。そうすると、
 気前良く収益の一部を学校運営のために
 寄付してくれるという条件でも落札できるのは、
 たいていファーストフード・チェーンだ。(p24)


・クルマの鉄道に対する最大の弱点は、
 エネルギー浪費・高公害の交通機関だ
 ということだ(p50)


・アメリカのセールスマンは騙しのテクニックで
 武装した悪辣な集団なのだ。・・・
 アメリカでは「絶対に娘を嫁にやりたくない職業」
 のトップに中古車のセールスマンが、
 そしていつも好位置に新車のセールスマンが
 つけている(p90)


・アメリカ連邦政府は、先住民たちの食習慣を
 半強制的に欧米人並みの「栄養価豊かな」食生活に
 「改善」しようとした・・・
 まるで、飢えで絶滅させることができなかったから、
 今度は肥満で絶滅させてやろうとでも
 いうように見える(p28)


・いちばん成功した例としては、
 太平洋の真ん中にポツンとある独立国だったハワイ諸島を、
 宣教師を送りこんでうまく手なずけ、宮廷クーデター
 みたいなことをやってアメリカの属国にした。(p40)


クルマ社会・7つの大罪
増田 悦佐
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【私の評価】★★☆☆☆(64点)


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