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「仕事の裏切り なぜ、私たちは働くのか」ジョアン・キウーラ

2010/10/06公開 更新
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仕事の裏切り なぜ、私たちは働くのか


【私の評価】★★★★☆(83点)


■単身赴任先のトイレで
 3ヶ月かかって読んだ一冊です。


 これは本というよりも、仕事について大学教授が
 考察した論文ですね。


 過去の文献を調査し、
 人が仕事をどう定義してきたかを
 たどっていきます。


 ちょうど米国ではリストラやダウンサイジングが
 行われてきた時期であり、仕事の保障がなくなって
 労働環境が変わってしまったという
 背景もあるようです。


・プロテスタントの仕事倫理はまた、仕事を通じて人は自己を発見し、
 自己の救済を見出だすことを示唆している。仕事は個人を発見し、
 創造する手段を与えてくれる
ということだ。(p109)


■仕事というものは、奴隷の時代から、
 産業革命の賃金労働者で大きく変わり、
 現代に至るわけです。


 そうした中で、仕事のなかに人生を見出だす人と、
 仕事を忌み嫌う人がいるようです。


 こうした仕事をどう見るかについては、
 永遠の課題なのかもしれません。


・定年後に手にする仕事からの自由、そして幸せというご褒美を
 信じて、働き詰めの一生を送る人もいる。そしていざ定年となると、
 本当の幸せは、懸命に働くことのなかにこそあったと気付く。(p42)


■普通の本の3倍の量がありました。


 じっくり「仕事」と「人生」というものを考えるための
 資料として良いと思います。


 ジョアンさん、良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・仕事はさまざまな心理的、社会的な要求、
 たとえば自制心、人間関係、規則正しさ、
 自己効用感などを満たしてくれる。
 しかし、こうした要求を満たすことができるのは
 仕事だけなのだろうか。(p24)


・ディルバートの上司が部下たちに、
 「速攻チーム」をつくると宣言したとき、
 部下たちの反応はこうだった。
 「いい計画だと思います。
 もしチームという名前で呼ばれたら、
 自分たちが非力であれこれ細かく指示されて働く
 奴隷だとは思わなくなるでしょう
」(p255)


・モリスは、仕事は「人生のきらめき」か
 「人生の重荷」のどちらかであると言う。
 その違いは、前者には希望があり、
 後者にはないということだ。(p132)


・職人およびプロフェッショナルは、
 理想の仕事の形として、多くの共通点を持っている。
 彼らの仕事においては、
 仕事と余暇のはっきりとした区別がない。
 両者にとって、生活と仕事は継続している・・・(p138)


・十九世紀には、職人の専門知識に対する敬意は
 希薄になっていた・・・年配者たちは、
 「若者は権威を軽んじ、働こうとしない」と批判した。
 年長者とは昔からそういうものだが。(p167)


・アルベール・カミュはかつて、仕事がなければ
 「すべての人生は腐ってしまう
」と言った。
 だが、自由時間がなくても人生は腐るのだ(p339)


・なぜ働くのか、という理由のほうが、
 実際に何をするかよりも大切なこともある。
 家族を支えたり、大学に行くために働くことは、
 洋服やCDプレイヤーを買うために働くよりも、
 おそらくより大きな満足感を与えてくれるだろう。(p356)


・しっかりとした人生の基盤は、
 究極的には、仕事とは何か、
 また地上での限られた時間のなかで、
 私たちが何をしたいのかを
 明確に描くことから始まるのだ(p414)


仕事の裏切り なぜ、私たちは働くのか
ジョアン・キウーラ
翔泳社
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【私の評価】★★★★☆(83点)


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