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「世界でいちばん小さな三つ星料理店」奥田 透

2010/09/21公開 更新
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世界でいちばん小さな三つ星料理店


【私の評価】★★★★★(95点)

要約と感想レビュー

 「ミシュランガイド東京」で三つ星となった日本料理店「小十」のオーナー奥田さんの一冊です。奥田さんの人生は、一生懸命です。できなければ、できるまで練習する。怒られれば、怒られないようにする。分からなければ、調べる。そうやって、一歩一歩、料理人として学び、成長していく姿が印象的でした。


 できるまで努力を続けてきた著者から見ると、「やりたかったんだ」という人は、結局「やらなかった人」なのです。「できないことを、できることに変えていく」ことを続けることで、「できないこと」ができるようになる楽しさがわかるのです。


・私はたしかに不器用でしたが、だからといって「できないこと」で自分を責めたことは一度たりともありませんでした。一回でできなければ十回、十回でできなければ百回、百回でできなければ千回(p66)


 一番驚いたのは、銀座に店を出した当初は、お客が全く来ないために、自殺まで考えたということ。いくら実力があっても、集客ができなければ商売は成り立たない。銀座のママさんから「銀座で一番になりなさいね。銀座で一番っていうことはどういうことだかわかってる?世界で一番だっていうことなのよ」と言われ、支えられながら、雑誌や情報誌に取り上げられるようになって、やっとお店を軌道にのせることができたというのです。


 一歩、一歩、上を目指す奥田さんに、感動してしまいました。次に東京に行ったときには「小十」で食べたいと思いました。(予約は取れないでしょうが・・)奥田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・やるべき仕事をいま目の前にある「面倒」と見るか、将来のための「勉強」と見るかでその成果は大きく違ってきます(p70)


・仕事を取るか、家庭を取るか。それまでの私の頭のなかには、その問いすら存在しませんでしたが、最近では、家庭のこともよく考えるようになりました。不思議なもので、そうするようになってから仕事の面でもいいことが起きるようになるのです(p239)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★★★(95点)


目次

第1章 少年時代
第2章 料理人人生、始まる
第3章 憧れの青柳へ
第4章 ついに、独立を果たす
第5章 銀座小十、開店
第6章 ミシュラン三つ星へ



著者経歴

 奥田透(おくだ とおる)・・・1969年、静岡県生まれ。静岡の割烹旅館「喜久屋」、京都の「鮎の宿つたや」などを経て、徳島の名店「青柳」で修業。1999年、29歳にして故郷・静岡で独立。2003年に、銀座に「小十」をオープン。『ミシュランガイド東京』で2008年版、2009年版と2年連続で三つ星に選ばれる。日本を代表する若手料理人の一人


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