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「生命保険のカラクリ」岩瀬 大輔

2010/06/04公開 更新
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生命保険のカラクリ (文春新書)


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 インターネット専業生命保険会社の副社長から聞く、保険業界のお話です。銀行や電力業界と同じく保険業界も当局からの規制とこれまでのしがらみの世界のようです。規制されているので競争が少なく、従来どおりのおばさん営業マンが多額の手数料を取りながら、顧客を集めているのでコストが高いのでしょう。


・日本の生命保険料は、商品によっては英米の二~三倍の水準にある(p16)


 保険に入るとき注意すべきことは、シンプルな内容にすることだそうです。シンプルにすることで、価格比較が容易になります。内容がシンプルだから必要な保障だけを選ぶことができて、迷うことが少なくなります。


 逆に複雑な保険は、比較できないので、割高なのか割安なのかさえ分からないので、判断することが難しいのです。保険会社は複雑な商品を作って、割高な商品を売ろうとしていると考えて間違いないのでしょう。


・「特約はつけないで、シンプルな単品商品にのみ加入すること」・・・そうすれば、支払いがあったときに、「あれっ、他にも保障されていたはずだけど、なんで支払われてないの?」とすぐ気がつくはずだ。(p144)


 だれでも保険には入っていると思いますので、この本の知識くらいは持った上で、保険加入を考えたいものです。岩瀬さん、よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・医療費の自己負担額はそれほど大きくない・・・ひと月当たりの自己負担の上限は10万円弱である。・・・つまり、14万~25万円をもらうために、毎月4000~5000円の保険料、すなわち年間5万~6万円の保険料を払い込んでいる(p108)


・安全指標であるはずの「ソルベンシー・マージン比率」(支払余力)がいずれの会社も破たん時に、安全とされる200%以上であったため、この指標の計算方法を見直す必要があるのではないか(p204)


・個人保険の世帯加入率はアメリカが50%、イギリスが36%、ドイツが40%、フランスが59%(p28)


・わが国の民間の生命保険会社(民営化されたかんぽ生命を含む)の年間保険料収入は、34兆円である。これに共済が6兆円・・・小売業全体の売上は年間133兆円・・・新車の販売額が約11兆円(p30)


生命保険のカラクリ (文春新書)
岩瀬 大輔
文藝春秋
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【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

第1章 生保のGNP―義理・人情・プレゼント
第2章 煙に巻かれる消費者―誤解だらけのセイホ
第3章 儲けのカラクリ―生命保険会社の舞台裏
第4章 かしこい生保の選び方
生保をさらによく知るためのコラム集
ネット生命保険の可能性―あとがきにかえて



著者経歴

 岩瀬 大輔(いわせ だいすけ)・・・1976年生まれ。外資系コンサルティング会社を経て、ハーバードMBA.帰国後、ライフネット生命設立に参画。現在、代表取締役副社長。


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