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「飛行隊長が語る勝者の条件」雨倉 孝之

2010/04/16公開 更新
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飛行隊長が語る勝者の条件―最前線指揮官たちの太平洋戦争 (光人社NF文庫)


【私の評価】★★★☆☆(75点)


■太平洋戦争における
 航空隊長へのインタビューをまとめた
 一冊です。


 戦争当時の現場の雰囲気が
 伝わってきました。


■個別の兵隊は優秀なのですが、
 人材を大切にしない、
 現実と乖離した作戦計画など
 上のほうには欠点もあったようです。


 戦略の誤りは、戦術ではカバーできない
 ということなのでしょう。


・それまでの海軍の戦術思想というものが・・・
 ロジスティクスにはほとんど意識が向いていなかった。・・・
 燃料タンクなんかをやろうという考えが、
 攻撃隊指揮官の頭に浮かぶはずだったんだ。
 だが、そういう教育をわれわれは
 受けていなかった。(p58)


■こうした記録は、残しておくべきであり、
 民間の人がやられていることに
 敬意を表したいと思います。


 雨倉さん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・とにかく一秒でも先に敵を見つけた方が勝ちですよ。
 見つけたらすぐ、私は全機をひき連れて
 上昇しちゃうんです。・・・こっちは何回でも
 攻撃をしかけることができるんです(p90)


・アメリカでは電探(レーダー)ってものを使っている
 といううわさが流れていた。・・・
 いくら大和魂とかなんとかいっても、
 これではどうしようもないんじゃないか。(p127)


・航空機がレーダーの実用を開始したのは、
 日米とも昭和十七年の末から十八年当初にかけ、
 ソロモンの戦場においてであった・・・
 米軍機・・・メーカーに試作させたものを
 すべて実機に装備し、試験かたがた実用に供した・・・
 これに反し日本海軍は、空技廠で各種実験を
 行ったのち採用をきめ、その上で実用にうつるため、
 開発速度が遅くなった(p168)



【私の評価】★★★☆☆(75点)



■著者経歴・・・雨倉 孝之(あめくら こうじ)

 昭和3年生まれ。海軍機関術予備練習生。終戦後、日本国有鉄道に勤務。59年退職。海軍制度について調査、研究。


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