「オシムが語る」シュテファン・シェンナッハ、エルンスト・ドラクスル
2009/07/05公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
■二人のオーストリア人ジャーナリストが
元サッカー日本代表オシム監督の発言を
紹介していく一冊です。
オシム監督の第一印象は、
非常に冷静、分析的であること。
そして、仕事の上では
プロフェッショナルであることを
求めているということです。
・『何でも自分の頭で考えて決めろ』と子ども時代から言われていたからね。今は私が選手たちに、いつもそう言い聞かせているわけだが(p26)
■オシムの考えるプロとは、
周囲の賞賛、批判に左右されず
常に自分を向上させようとする人です。
そこにプロとしての進歩が
期待できるのでしょう。
・「負けた後の葬式みたいなムードだけは、まるで理解できない」とオシムは言う。「いつだって、なぜ負けたか、自分で理解することが大切なのに」(p177)
■オシム監督は分裂したユーゴスラビア出身のため
半分は政治に関係するものでした。
やはりオーストリア人ジャーナリストには、
その点に興味があるのでしょうか。
・統一の当初、旧東ドイツの人々にはすべてが約束されていたはずなのに、今では彼らは、いわば二等国民にされてしまった。・・・身に降りかかったのは失業というわけだ。(p209)
■等身大のオシム監督を表現しようと
しているように感じました。
欧米の人はこうした書き方をするのだ、と
参考になる一冊です。
本の評価としては★3つとしました。
この本で私が共感した名言
・この頃は確かに情報が豊かになったが、その情報も操作されていることに気付いていない人が多いね。・・・自分の頭で考えたことより、聞いたこと、読んだことのほうを信じているようだ。(p184)
・オシムは自分のオフィスというものを持ったことがない。職場はいつも芝の上と練習場とスタジアム。(p49)
・セレクションシステムは全国規模で展開すべきだ。・・・才能あるプレーヤーを発掘できるか否かを偶然任せにしてはいけない(p223)
・ポジティブに考えるのは結構なことだ。だが、この世の中には、ポジティブに考えるチャンスさえない人がたくさんいる。病気、貧しさ、搾取、戦争のせいで・・・(p172)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★☆☆(73点)
著者経歴
シュテファン・シェンナッハ・・・1965年オーストリア生まれ。ジャーナリスト。緑の党スポークスマン。オーストリア連邦議会議員。ウィーン在住。
エルンスト・ドラクスル・・・1961年オーストリア生まれ。フリージャーナリスト。97年から「トレッフプンクト・ケルンテン」誌の編集を担当。98年ワールドカップでは「スタンダード」誌W杯別冊を執筆。
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