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「宇宙が味方する経営」伊藤 忠彦

2008/02/28公開 更新
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宇宙が味方する経営


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

 関西アーバン銀行頭取の伊藤さんの口グセは、「いい仕事をしよう」です。自分の役割のなかで、常に、「良い仕事」を目指します。ここで言う「良い仕事」とは、お客様に役立つ仕事です。


 だから社員には、お客様の役に立つよい仕事をするように言っているし、そうした人を出世させるのです。つまり、成績を上げるより、お客様の役に立つことが大事であると、頭取自らが明確にしているのです。


・私も、つねづね部下にこう言っています。「いい仕事をしようと心がけなさい。そうすれば、いつか認められて偉くなっていく。でも、けっして成績を上げようと思ってはいけない。あくまでも、お客様に役立ついい仕事をするように。」(p213)


 著者の伊藤さんが言いたいことは良い仕事をするために努力することが大切なのですが、それ以上に、その( 目的 )が大切であるということです。


 その目的が、正しい目的であれば、成功するはずであり、結果的に成功してきたというのです。目的が自分のことより社会のため、社会のためより人類のためであれば、それを現実化する意義があるということでしょう。


 伊藤さんの習慣は、朝の冥想です。この時間に良いアイデアが出るそうです。


・私はいつも、ものごとを現実化しようと思ったら、まず自分の行う目的は何かということを考えます。・・・自分だけ幸せになれば、人はどうでもいいやというふうに目的が発生するのか、それより社会的な、すべての人を、人類を幸せにしようとする目的か(p37)


 経営者で成功している方の本を読むと、こうした正しい目的意識について書かれてあるものです。最終的には、トップのそうした想いが企業の形を形作っていくということなのでしょうか。具体的事例が少なくインパクトがありませんでしたが、経営の本質を突いた一冊だと思います。★3つとしました。


この本で私が共感した名言

・私は住友銀行に入行してからしばらくは、いわゆるエリートコースではなく、現場ばかりをまわってきました。・・・当時は、「悪い環境」だと思っていたものが、長い目で見ると、ビジネスの実体把握の理解や精神的にも「魂磨き」に最適な環境だったのです。(p137)


・人間は目的、原因、結果というものを持っており、目的によって人格は形成されるわけです。・・・子どもみたいな目的の人は、やはり子どもっぽい人間のままで終わってしまうのです。(p229)


・仕事を進めるうえで、私がもっとも重要だと考えているのは、仕事の重軽判断です。・・・リンカーンは、仕事を三種類に分けることを提唱しました。それは、自分でやる仕事、部下と相談してやる仕事、部下に任せてやる仕事の三種類です。(p43)


・私は天の力を借りられるような目的にしなければならないと考えたのです。・・・金儲けを、いつのまにか企業目的としてしまっている会社がいかに多いことか。・・・・バブル期の銀行というのが、まさにそうでした。(p58)


・結果を大きく左右するのは、トップの強い考えです。トップの想念は、たとえ口に出さずとも従業員に確実に伝わります。そのために、トップはしっかりとした想念を持ち続けていなくてはなりません。(p62)


▼引用は、この本からです。
宇宙が味方する経営
伊藤 忠彦
講談社インターナショナル (2006/10/16)
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【私の評価】★★★☆☆(79点)



著者経歴

 伊藤 忠彦(いとう ただひこ)・・・1943年生まれ。大学卒業後、住友銀行入行。支店長、常務取締役など歴任。1999年関西銀行取締役社長。2004年関西さわやか銀行と合併し、関西アーバン銀行頭取。


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